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» 2021年05月31日 07時00分 公開

QBハウスがコロナ禍でも「客を離さない理由」 秘密はビジネスモデルにあり奥村美里「あの企業の意外なビジネスモデル」(2/5 ページ)

[奥村美里,ITmedia]

強みの源泉力1 - どうして宣伝せずともお客がやってくるのか

 とはいえ「言うは易く行うは難し」がビジネスの定石。お客が集まらなければもうけにならず、店舗拡大は夢堕ちに終わります。ましてや、QBハウスは1人1000円と客単価が低いため、「回転率が勝負」の企業です。

 QBハウスにとって、客単価を下げた分だけ回転率を上げなければいけません。「回転率を上げる」ということは「お客がひっきりなしに来店する状態」を指します。

 では、どうやってQBハウスはお客がひっきりなしに来店する状態を生み出すことができたのでしょうか。お客がひっきりなしに来店する状態を生み出すには、以下2つのポイントがあります。

(1)広告宣伝費にお金をかけない

 貴方がQBハウス創業期のマーケティング担当だったら、来客を増やすにはどうしますか? 無難に考えれば「来客数を増やすにはCMをバンバン打ってしまおう」「新宿駅を広告でジャックしてしまおう」「SNSで1億円バラまいてしまおう」と考える人も多いのではないでしょうか(さすがに最後の案は冗談です)。

 では、QBハウスはどのようなマーケティング活動を行っているのでしょうか。広告宣伝費を見てみましょう。

 広告宣伝費は年間2.5億円でした。2.5億円あれば、露出数や配信タイミングにもよりますがだいたい1カ月間、関東圏で有名女優を起用したCMを配信できます。ですので、年に1回以上程度はCMを打ったのではないかと推測できます。

 しかし過去のCM内容を探ってみると、クリエイティブはお客ではなく「従業員採用」が目的。このCMを通してお客を増やしたいわけではなさそうです。また、ブレイク前の俳優さんを起用しており、このCMだけで2.5億円まるまる使ったわけではなさそうです。残りの広告宣伝費は駅広告に使用したと思われます。

 ここで広告宣伝費は、「販管費のうち10%を占めているものの、その内訳の多くはお客向けではなく従業員採用のための広告費」として位置付けられていることが分かります。CM大量放送とは違う方法でお客を獲得しているわけです。

 ではどうやってお客を獲得しているのか。

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