QBハウスがコロナ禍でも「客を離さない理由」 秘密はビジネスモデルにあり奥村美里「あの企業の意外なビジネスモデル」(3/5 ページ)

» 2021年05月31日 07時00分 公開
[奥村美里ITmedia]

(2)駅ナカ立地で目立ち度UP

 QBハウスといえば、駅ナカや駅前にデデンと構える店舗を思い出す人が多いのではないでしょうか。

 実際、QBハウスの店舗を検索してみると、店名の終わりに「〜駅前店」「〜駅店」「〜南口店」ばかりが表示されます。QBハウスに年賀状を送るならとりあえず「〜駅前店」と記載しておけば届く感じですね。

 駅ナカや駅前なら、平日5日出勤していたら嫌でも目につきますよね。さらに「カット10分で終わります! 1000円しかかかりません!」と宣伝文句があれば、余計に印象に残ります。

 店舗自体がPR隊長になっている、ということです。

 どうやらQBハウスは、広告宣伝費をかけない代わりに、駅ナカ(or駅前)の目立つ場所に立地することに全力バットを振っているようだ、ということが分かりました(余談ですが、日高屋もQBハウス同様で、CMを打たず目立つ場所に出店することで認知度を獲得しています。同じ戦い方といえるでしょう)。

 また、駅ナカでも特にトイレの横に隣接している場合が多いのが特徴です。理由は「トイレで鏡を見て『(髪が伸びてきたため)そろそろ切ろうか』と思った直後に、QBハウスが目に入るようにするため」と公式に明かされています。顧客の心理導線を踏まえての立地作戦といえるでしょう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.