近畿大学とベイシアは近畿大学水産研究所が開発したブリとヒラマサの配合種「ブリヒラ」を、6月16日からベイシア全店にて販売すると発表した。同社によると、ブリ類ハイブリッド種の本格販売は世界初で、2021年には5万尾以上の販売を目指すという。持続可能な養殖業の確立、養殖水産物の普及に貢献していくのが狙いだ。
ベイシア 橋本浩英社長(左)と近畿大学 有路昌彦教授(右)
ブリヒラは、ブリの雄とヒラマサの雌の交雑魚として1970年に近畿大学が開発した。ブリのうまみとヒラマサの弾力のある食感を併せ持つ点が特徴だ。2種を交雑することで、夏でも肉質の高い魚の提供が可能になる。1年から1年半で3キロ程度に成長するという。
ブリとヒラマサの交雑種「ブリヒラ」の成魚は3キロほどの重さ
ベイシアは、持続可能な養殖業の確立を目的とし、17年12月に近大の関連会社で養殖魚の加工・販売を行っている食縁(和歌山県新宮市)と協定を結んだ。ブリヒラの大量生産と安定的な供給に向けて協力していく方針を示している。近大や食縁、養殖業者などとともに養殖規模を拡大することで18年に1000尾、19年に1万5000尾、20年に2万尾と段階的に供給量を増やしていった。
19年にはベイシアの店舗で試食販売などのテストマーケティングを実施。相応のニーズが得られたことから、今回の本格販売に乗り出した。近大が開発したブリヒラを関連会社であるアーマリン近大が種苗(しゅびょう:養殖用の稚魚や卵のこと)を販売し、養殖業者が成魚まで育てたのちに、ベイシアが自社の店舗で販売するかたちだ。
最初は一般家庭をターゲットにサク(100グラム)、お造り(7切)、生寿司単品(5貫)のラインアップで展開していく。テストマーケティング時の売り上げ達成率が想定の150%だったことから、本格販売でも同等の売り上げを目指すとしている。
ベイシアの橋本浩英社長にレストランや和食店などへの展開について聞くと、「まずは一般家庭への提供を進めていく。今後、飲食店へのブリヒラの提供やメニュー、レシピ考案などのコラボなども検討していきたい」と話した。
左から「ぶり」、「ひらまさ」、「ブリヒラ」
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