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» 2021年06月29日 09時00分 公開

オリンピックで「人流」は増加するのか 見落とされている過去の“事実”長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/5 ページ)

合理性を欠く新型コロナウイルス感染症対策に耐え切れない飲食店が続出している。「緊急事態」と「まん防」はいつになったら終わるのか。筆者がそろそろ「正常化に向けた準備を始める時期」と考える理由は?

[長浜淳之介,ITmedia]

 7月23日の東京オリンピック開幕まで1カ月を切った。東京都と日本オリンピック委員会(JOC)、国際オリンピック委員会(IOC)の間で開催都市契約が結ばれており、破棄されない限り予定通り開催される。

 ところが現状では、7月11日まで沖縄県に緊急事態、東京都や大阪府など7都府県にまん延防止等重点措置(以下、まん防)が出されている。国や自治体の合理性を欠く新型コロナウイルス感染症対策に耐え切れず、営業時間の短縮や酒類の提供を制限された飲食店・大型商業施設が、次々と通常営業に踏み切っている。

渋谷のんべい横丁は昭和25年からあり、前回の東京オリンピックも見守った。酒と酒場は文化だ

 実際、“反逆”した飲食店に顧客が集まっている。例えば、一部を除いて通常営業を行ったグローバルダイニングの5月における国内既存店売上高は、前年同月比165.0%となった。なお、自粛要請に従っていた前年の5月は同52.2%に止まった。まさに「正直者がばかを見る」事態だ。

 国や自治体の自粛要請に従ってきた多くの飲食店は、東京オリンピックを円滑に開催するための緊急事態やまん防と考えて、辛抱してきた。しかし、オリンピックの会場で酒類提供が中止になったり、東京都などでパブリックビューイングが中止になったりする措置を見て、オリンピックが始まっても自粛を続けざるを得ないのかという、絶望感が広がっている。

グローバルダイニングのラ・ボエム世田谷(出所:リリース)

 オリンピックの会場におけるビール類、ワイン、チューハイといった酒類提供は、アサヒビールが担当していた。しかし、同社から大会組織委員会へ提供中止を申し入れ、了承されたとのことだ。

 各種報道によれば、日本より感染状況が深刻だった米国、欧州各国、中国などではワクチン接種が進んだ結果、飲食店が再開され、お酒を楽しむ人が増えている。国によって公衆衛生の考え方も、社会の在り方も違うので、一概に比較はできないが、率直に「うらやましい」状況だ。

新型コロナのワクチン接種が進んでいる

 一方で、2度接種すれば有効性が90%を超える、極めて優秀なワクチンがファイザー社、モデルナ社から開発され、日本でも接種が進んでいる。政府によると、重症化しやすい65歳以上の約51%が1回目、約18%が2回目の接種を終えている(6月23日時点)。1回目の接種をするだけでも5〜8割の感染を抑えると米国や英国、イスラエルなどから報告がある。

 今後、コロナは収束していくのだろうか。

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