セブン&アイ・ホールディングスが7月1日に発表した2022年2月期通期(21年3月〜22年2月)の連結業績予想は、売上高に相当する営業収益が8兆380億円(前期比39.4%増)。大幅増収の要因は、米国3位のガソリンスタンド併設型コンビニ「スピードウェイ」の買収だ。
セブン&アイHDの井阪隆一代表取締役社長は、「千載一遇のチャンス。さらなる成長のきっかけだ」と強気の姿勢を見せる。自信の裏には、日本と北米で大きく異なるコンビニ市場の事情があるようだ。
22年2月期は、営業利益が3800億円(前期比3.7%増)、純利益が1900億円(同6.0%増)を見込んでいる。
事業セグメント別にみると、海外コンビニ事業の営業収益は2兆1176億円増を見込んでいる。同社の丸山好道取締役執行役員によると、「米国におけるガソリン売り上げの回復とスピードウェイ買収による増収が期待できる」という。
ただ、営業利益はスピードウェイ取得が5月にずれ込んだことで、当初の見込みよりも業績押し上げの効果は限定的だとしている。
スピードウェイは、米国のガソリンスタンド併設型コンビニだ。店舗数は全米3位の3854店舗。セブン&アイHDは20年8月に買収を発表し、当初は21年1〜3月の買収完了を目指していたが、米連邦取引委員会(FTC)の承認手続きに時間がかかり、21年6月に取得の許可が下りた。
セブン&アイHDの井阪社長は「千載一遇のチャンス。さらなる成長のきっかけだ」と強気の姿勢を見せる。背景には、同社にとって”踊り場”を迎えた日本市場とは異なる、米国特有の市場状況がある。
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