また、コスプレ仲間や友人と話をする上で、このような経験や葛藤をしているのは自分だけではないこと、身体を鍛えたいと思っているが行動に移せていないオタクが多いことも分かってきた。
オタク活動は、ライブや舞台でいろいろな場所に遠征に行き、ライブでは3時間ペンライトを振り続ける。家でアニメや漫画を読んでいると、こもりがちになり全身が凝り固まってしまう。コスプレ衣装を作成したり同人誌を描いたりと、長時間細かい作業をすることもある。オタク仲間から「お尻が痛い」「身体が痛くて集中できない」と悩む声を聞いた。
また、オタク文化を作る漫画家の友人も、厳しい仕事のスケジュールで不健康な生活を送り身体を壊しがちだった。有名な漫画家が、若くして亡くなるというニュースを見ることも少なくない。
SAKU代表は、オタクにこそ筋力や体力が必要で、オタクが健康になれる場所を作るべきだと感じた。そしてその場所は、オタクがオタクであることを隠す必要がなく、堂々と話すことができ、オタクであるが故の悩みを共感し目標を共有する、そんな場所である必要があると思った。
そこで、トレーナー自身もオタクであり、オタクの気持ちが分かる、オタク向けのパーソナルジムClaraの設立に動き出した。
「私は一生オタクでいることを楽しみたい。そのためには、自分の健康だけでなく周囲のオタクも健康で長生きできる環境を作りたい。そういう使命感にかられました」と、SAKU代表から強い思いが聞かれた。代表の元には、よくぞ自分のために作ってくれた、という声が多く届いた。
ジムを女性限定にした理由は、オタク女性ならではの悩みが、「推しに恥じない体を目指す」というジムのコンセプトと合致するからだという。
健康で“推し活”に集中できる身体になりたい、コスプレをきれいに着こなすためのダイエットをしたい。でも、好きなアニメやキャラクターの期間限定のコラボカフェにも行きたい。このような思いを持つオタク女子は少なくない。
また、「推し」という対象を作るのは、女性の割合が多いとSAKU代表は分析。「推しに恥じない体を目指す」というコンセプトは女性に強く響き、共感する声がたくさん聞かれた。
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