ジムを開業した池袋は、女性向けのオタク文化が根強い。男性向けのオタク要素の強い秋葉原と違い、乙女ロードやアニメイト本店など、女性のオタクが集まる名所が数多く存在する。池袋は、オタク女子向けのサービス展開がしやすい場所であると考えた。ただ今後は、全てのオタクを救うため、男性のオタクに向けた事業展開も考えていきたいという。
SAKU代表には、世界中のオタクを救って行きたいという強い思いがある。SAKU代表やジムのSNSには、全国からの「通いたいのに遠いから通えない」というメッセージが届く。その思いに答えたいと、関西をはじめとした全国への展開も構想している。
パーソナルジムClaraは、5月19日にプレオープンした。それ以降、毎日申し込みや問い合わせが多く来ているという。
Clara所属のトレーナーTame.氏は、「今まで複数のパーソナルジムで働いてきた経験がありますが、こんなに反響があったのは初めてです。通常のジムのオープン時の倍程度は申し込みがあります」と話す。7月1日にグランドオープンしたばかりだが、すでに池袋に2号店の準備を進めている。
オタク向けパーソナルジムというユニークな事業の商機は、仲間づくりと人材育成だとSAKU代表は考える。
「オタク趣味を持つ学生が将来トレーナーになりたいという声や、オタク的な趣味を持ちながら年齢を重ね、トレーナーになりたいが、年齢的に転職して教育を受けるのが難しいという声も届きます。そうした雇用も生み出したいし、店舗拡大にもつながっていきます」(SAKU代表)
また、一般的なジムに勤めるトレーナーにも、オタクであることを隠して働いている人もいると推測している。今回トレーナーを集める中でも、代表がSNSでオタク趣味を持っているトレーナーを検索してコンタクトを取るなどしたそうだ。このような人達を救う場としてもコミュニティーの拡大が、事業として新たなビジネス展開を生むことができると意気込む。
またパーソナルジムとして、オタクコンテンツのクリエイターである漫画家や声優の身体のコンディション管理への事業拡大も検討している。オタク文化を作るクリエイターとコラボするなど、お互いにビジネス的にも還元できるようにしていきたいという構想もある。いずれはアニメ、漫画とコラボした独自の健康グッズや健康食品などの事業展開も考慮に入れているという。
矢野経済研究所の調査では、2030年のオタク人口比率は30%を超え、40%に近づくものと試算されていて、まさに3人に1人はオタクである世の中となるといわれている。オタク文化は立派な1つのビジネスの場となっていくだろう。オタクというコミュニティーを拡大し、ビジネスに強く結び付けて成長していくクララボの、今後の動きに注目したい。
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