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「ブラック校則」で波紋 今の日本社会で、ツーブロックは本当に就職で不利なのか「異形」か「個性」か(3/5 ページ)

» 2021年07月12日 05時00分 公開
[川上敬太郎ITmedia]

 いまやインターネットを通じて誰でも常時、世界中とつながるようになりました。加えて、経済環境の変化スピードはどんどん加速しています。企業運営はゲームチェンジやイノベーションなどの劇的変化の中で行わざるを得なくなっています。過去に成功を収めてきた採用選考の勝ちパターンが、現在、あるいは未来においても、変わることなく勝ちパターンであり続けられる保証などどこにもありません。

 これまでの勝ちパターンを踏襲しても成功が確約された未来像が見えず、企業は仕事に対して、より創造的に取り組まなければならなくなりました。そんな環境の劇的変化が、求められる人材のイメージを着実に変えていこうとしています。

 だからといって、これまでの成功体験を少なからず引きずる中で、企業自身がすぐに劇的な変化を実現できるわけでもなさそうです。過渡期を迎えている現在、環境の変化が徐々に企業の価値観を変え、求められる人材像もソフトランディングする形で徐々に変化しているのだと思います。

 先ほど挙げた経団連調査における「選考に当たって特に重視した点」のトップ5を占めた言葉も、すぐにガラリと入れ替わってしまうほど、ドラスチックな変化とはならないのかもしれません。しかしながら、調査から3年を経て、少なくとも求める人材のイメージは次のように変わってきているはずです。

 「変化を恐れることなく新しい取り組みにも果敢に“チャレンジ”し、変化が激しい時代の中でも自らが果たすべき役割を“主体”的に見いだし、より高い付加価値を“誠実”に追求し、周囲と“協調”して成果を出すべく、社内外の枠を超えた幅広い“コミュニケーション”が図れる人材」

人材像ともう一つ、目を向けるべき企業内の変化

 一方、必要とされる人材像とは別の観点で、企業内ではもう一つ、大きな価値観の変化が起きています。

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