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「ブラック校則」で波紋 今の日本社会で、ツーブロックは本当に就職で不利なのか「異形」か「個性」か(5/5 ページ)

» 2021年07月12日 05時00分 公開
[川上敬太郎ITmedia]
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 世界中で人気を博し、発行部数でギネス記録を持つ漫画『ONE PIECE(ワンピース)』に登場するキャラクター「光月おでん」は、人の言葉を話すネコ、イヌ、そして河童に暴力を振るう人間たちを懲らしめて言い放ちます。

 「恥を知れ貴様ら!!!異形を恐れるは己の無知ゆえ!!」

 子どもたちを画一的なルールで縛っておけば、大人は管理しやすくなります。会社組織も同様に、画一的なルールで社員を縛っていれば経営が成り立っていくのであれば、それほど楽なことはありません。しかし、時代は動き、世の中の価値観も経済環境も常に変化しているのです。

 そんな中でも、古い価値観に縛られた教育や企業運営をしていては、ゲームチェンジをしかけたり、イノベーションを生み出したりする側ではなく、それらに振り回される側になってしまいます。これでは、いつまでも違いを“個性”と捉えて多様性を生かすような社会へ脱却することはできません。

  “異形”を恐れているのは誰なのか?学ばなければならないのは誰なのか――それは、いつまでもツーブロックが就職に影響するような社会構造を維持し続けようとする者たち、全員なのではないでしょうか。

著者プロフィール・川上敬太郎(かわかみけいたろう)

ワークスタイル研究家。1973年三重県津市出身。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業の事業責任者を経て転職。業界専門誌『月刊人材ビジネス』営業推進部部長 兼 編集委員、広報・マーケティング・経営企画・人事部門等の役員・管理職、調査機関『しゅふJOB総合研究所』所長、厚生労働省委託事業検討会委員等を務める。雇用労働分野に20年以上携わり、仕事と家庭の両立を希望する“働く主婦・主夫層”の声のべ3万5000人以上を調査したレポートは200本を超える。NHK「あさイチ」他メディア出演多数。

現在は、『人材サービスの公益的発展を考える会』主宰、『ヒトラボ』編集長、しゅふJOB総研 研究顧問、すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役、JCAST会社ウォッチ解説者の他、執筆、講演、広報ブランディングアドバイザリー等の活動に従事。日本労務学会員。男女の双子を含む4児の父で兼業主夫。


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