――「DXスマートコンストラクション」を推進するために、他社と組んだ新しい会社の設立を発表しました。その狙いは何ですか。
海外展開を進めるため4月に「EARTHBRAIN(アースブレーン)」という会社をNTTドコモ、ソニーセミコンダクターソリューションズ、野村総合研究所の3社と組んで立ち上げると発表しました。
この会社は建設現場の労務、サプライヤーとの取引をデジタル化する機器の開発や、機器からデータを吸い上げて処理するオープンプラットフォーム、プラットフォームを活用したアプリケーションの開発・提供・保守をします。この会社が開発したアプリは必ずしもコマツの建機だけに適用せずに、コマツ以外の建機であってもこのアプリが使える考え方で新会社を設立しました。
コマツはこれまではアプリケーションを単独で開発してきましたが、スピードが求められる今の時代は人的資源にも限りがあるので、3社とタッグを組んで新会社を発足させることにしたのです。ドコモが持っている5G、IoTなどの高度なネットワークやクラウド基盤や画像解析、ソニーの建設現場の情報可視化データに関するセンシング技術、野村総研のビジネスモデル変革・デジタル化の知見を生かしたソリューション開発・サービス提供機能などを活用すれば、DXスマートコンストラクションのビジネスが加速度的に進んでいくだろうと思います。
――コマツが世界の建機、鉱山機械市場でシェアを伸ばすためには、業界首位の米キャタピラー社に追い付かなければならないですね。そのための方策をどう考えていますか。
何をもってナンバーワンと言うかについては見方がいろいろありますが、キャタピラー社は当社のベンチマーク(比較指標)として学ぶべき点がある会社だと思っています。しかし、ビジネスのやり方が大きく異なります。エンジンを外販している点に加え、販売代理店は持っていません。
世界の建設、鉱山機械メーカーで、フルラインメーカーといえるのは世界でキャタピラー社とコマツの2社だけです。コマツは建設、鉱山機械のICT化では、他に先駆けてビジネスモデルを展開してきました。無人ダンプトラックはコマツが先発ですが、キャタピラー社は後発で参入しています。「スマートコンストラクション」ビジネスにもまだ参入はしてきておらず、コマツがうまくいけば入ってくると思います。キャタピラー社がコマツのことをどう思っているかは分かりませんが、コマツにとっては永遠のライバルで尊敬すべき存在です。
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