リテール大革命

「消費期限1日」の魚を販売するネットスーパー その仕組みは?相馬留美の「今そこにある商機」(3/5 ページ)

» 2021年07月19日 07時20分 公開
[相馬留美ITmedia]

バイヤーの評価は「利益」を基準に

 フーディソンの主力事業に、飲食店向けの「魚ポチ」というサービスがある。魚ポチは飲食店向けに同様の仕組みで鮮魚の発注サービスを行っていたのだが、昨年コロナ禍で魚ポチの売り上げが落ち込んだため、B2C事業として始まったのがperrotだった。

 魚ポチには現地のデータをほぼ自動で変換して商品ページを作る仕組みを構築できており、3000超のSKUを3時間程度で商品ページ化するノウハウがある。それがperrotでも転用されたのだ。

配送前の商品

 このシステムにより、漁港から朝方に出荷し、商品はまだ都内に到着していない段階でも、ユーザーはその日の午後3時半前後に出荷途中の商品を注文できる。その注文に対して、フーディソンは都内に到着したばかりの商品を夜間から早朝にかけて加工し、最短で翌日の午後には家庭に配送する。

夜間から早朝にかけて加工している

 リアルのスーパーマーケットの場合、基本的には産地からいったん豊洲など都内の市場に入った生鮮品を仕入れ、翌日店頭に配送することが多い。そのため、perrotと比べれば1日分鮮度が落ちることが多い。また、市場で売られているものが、その日に獲れたものとも限らないため、バイヤーの目利き力も問われる。

 説明文をよく書きすぎてギャップがあると、消費者側からクレームがあるためとても重要視している。「ネットで成り立たせようとすると、現場での書き込みの情報が全てになる。その情報での期待値と実物とにギャップがあると、そこからはもう仕入れない」(伊藤氏)という徹底ぶりなのは、返品があれば利益は簡単に吹っ飛ぶからだ。試行錯誤の末、バイヤーの評価も「売り上げ」ではなく「利益」を基準にしているという。

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