東京・新橋にある「ステーキ五郎」は、ラーメン二郎をほうふつとさせる野菜タワーのビジュアルで、二郎インスパイア系ステーキという分野を開拓した、新感覚のステーキ店だ。
コロナ禍の前から、10人中3人が圧倒的にハマる味というとがったコンセプトで、居酒屋やバルのランチ対策として開発を進めていたという。オープンしてからは人気ユーチューバーの「わっきー(石脇誠)」氏らの動画で取り上げられたのをきっかけに、SNSで情報が拡散され集客につながった。
メニューはステーキのみで、「シングル(150g)」(980円)、「ダブル(300g)」(1660円)、「1ポンド(450g)」(2200円)。ご飯とお茶はセルフサービスで、お代わり自由となっている。1000円以内でボリューム感あるステーキが食べられる店が珍しく、コストパフォーマンスも魅力となっている。
店内に入ると、ラーメン店でよく置いてある券売機があり、食券を買って着席する。食券ではトッピングの野菜、牛スジ、ニンニク、バター(脂)の分量が、無からマシマシまで、段階的に選べるようになっている。このあたりも、二郎インスパイアのラーメン店らしさを感じさせる。
全マシにすると、野菜マシマシ、牛スジあり、ニンニクマシ、バター2個となり、ご飯をお代わりすれば結構な分量になる。食券にペンでテーブル番号を書き、希望のトッピングに丸を付ければ、店員がやって来くる。非接触性が高い方式で注文ができるシステムだ。
追加の有料トッピングで、「唐揚げ」(150円)、「カレー」(100円)、「生卵」(50円)もある。
柔らかい肉質でしつこさがない、米国産のミスジを使用。野菜をマシマシにすると、野菜から出る汁に浸ったステーキになるが、ソースの味がしっかりしていて、気にならずに食べ進められるのが特徴だ。締めは鉄板にご飯を投入し、生卵を入れておじや風にする人もいるそうだ。
ステーキ五郎は、昨年の緊急事態による休業明けの5月25日に出店。経営は大手外食のダイヤモンドダイニングで、同社の「ワインホールグラマー ネクスト」という肉バルを間借りして、ランチ営業を行っている。同店は、入場料500円を払えばビールが160円となるなど、ほぼ原価で飲めるのが支持される繁盛店だったが、コロナ禍による休業、時短、酒類提供禁止により苦戦を余儀なくされている。
肉バルの苦境を打開するべくステーキ五郎を投入したが、原価率が50%に迫る内容と二郎系のインパクトが受けて、30〜40代のビジネスマンを中心に支持されている。1日に60〜80人の来客があり、2回転ほどして軌道に乗っている。平日はニンニクをトッピングしない人が多い。店舗は、都内の赤坂・浜松町・池袋と、広島市に広がり、5店となった。いずれも、ダイヤモンドダイニング系列店のランチタイムを間借りしている。なお、緊急事態中はお酒が提供できないため、開店から午後8時まで通してステーキ五郎となっている。
同社によれば、今後はデリバリー専門のゴーストレストランとして拡張する方針だ。
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