最初に仕掛けたのはセブンで、19年1月に、「中華蕎麦とみ田監修 豚ラーメン(豚骨醤油)」を発売。瞬く間にSNSで話題となった。日本全国の家庭で手軽に、二郎インスパイア系のラーメンが楽しめるようになった、画期的な商品と言える。
20年2月には、「中華蕎麦とみ田監修 ワシワシ食べる豚ラーメン」にバージョンアップ。ニンニクの量を約3.5倍としただけでなく、モヤシやチャーシューも増量した。麺は小麦粉の配合や製麺方法を見直し、かみ応えのある極太の縮れ麺に改良された。当該商品は20年のセブンのレンジ麺で、売り上げ1位となるヒットになった。
そして、21年2月に前出「三代目豚ラーメン」へとさらに進化した。麺は強力粉を増量。背脂も増量して、固形感を残す製法を採用。トロトロとした食感をより楽しめるようにした。
千葉県松戸市に本店を持つ「とみ田」は、常に長蛇の行列ができる繁盛店だが、二郎インスパイア系のブランド「雷」を20年8月に東京駅構内のエキナカ商業施設「グランスタ」内に出店して話題になっている。上京した人が必ず使う駅の立地で、レンジ麺との相乗効果が出る上手な仕掛けになっている。
ローソンが提携する「麺屋一燈」は、とみ田と同じく、東池袋大勝軒出身の「麺屋こうじ」から独立していて、同門の店だ。麺屋一燈の店主・坂本幸彦氏は、同店Webサイトでとみ田店主の富田治氏を、「日本一の男、僕の師匠」とまで言い切っているが、レンジ麺ではコンビニの看板を背負って、“ガチ”で対決している。
麺屋一燈も、「ラーメン燈郎」という二郎インスパイア系の店を有する。牛ステーキがトッピングできたり、カレーラーメンが味わえたりするなど、大胆なアレンジが魅力とされている。
ジェネリック二郎の「麺屋一燈監修 濃厚豚醤油ラーメン」は、20年11月の発売。ローソンはそれまで自社開発の二郎系レンジ麺を出していたが、ここで初めて名店とコラボした商品を出した。
内容的にはコンビニの二郎系レンジ麺では初の煮卵トッピングと、とろけるようなチャーシューが目に付く。低加水で全粒粉が入った太い縮れ麺やもやしのボリューム、ニンニクのがっつり感は二郎らしさがあるが、スープの量が全般に少なくあっさり目となっている。
ファミマは、二郎インスパイア系でも突出した人気を誇る「千里眼」とのコラボで、20年10月からレンジ麺「濃厚マシマシラーメン(ニンニク醤油)」を発売している。ファミマもローソンと同じくオリジナルで二郎系にチャレンジしていたが、セブンに対抗できず、コラボ店のアドバイスでクオリティーを向上させた。
1000キロカロリー以上もあり、“高カロリー度”ではコンビニの弁当でも最大クラス。大量のニンニクと野菜、味の染みたチャーシュー、ごわついた麺、背脂の入った濃厚な豚骨しょうゆスープは、二郎インスパイア系の特徴が良く出ている。麺の太さやしょうゆ味の濃さは、3社で一番か。アクセントとして、お店でおなじみの揚玉に唐辛子を塗した「辛揚(からあ)げ」が入る。
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