攻める総務

オフィス刷新、ポンタ運営会社 あえて「今のオフィスの悪いところ」を議論しなかった理由8割の社員が参加、アイデアは1000以上!(3/4 ページ)

» 2021年07月20日 14時30分 公開
[小林可奈ITmedia]

 デザイン面では、感覚的なニーズを取り入れた。「明るい雰囲気」や「ポンタのぬいぐるみがたくさんいること」を望む声から、明るいオレンジ色のポンタがなじみやすい、グレー基調のオフィスが生まれた。

photo 存在感あるカラーリングのポンタも、グレー基調の空間にはよくなじむ(同社提供)

 コンセプトが確定した後、オフィスデザインに落とし込む過程においても、総務担当者がチャット上のコミュニケーションや、リアルのオフィス家具の体験会を開催するなど、社員の声を取り入れた。

これまでにもワークショップを開催

 実は同社、これまでにも2018年から半期に1回、全社員参加のワークショップを実施しており、社員がアイデアを出し合う下地があった。同社の行動指針「LMフィロソフィ」の実践・浸透を目的にしたワークショップだ。

 LMフィロソフィは17年、社員が話し合って策定した行動指針だ。「関係性の質」「思考の質」「行動の質」を共に高め合うことを目的にしている。18年、その実践・浸透を担う全社横断プロジェクトが発足した。

【編集履歴:2021年7月21日】記載の年月日に誤りがあったため、一部修正しました。

 営業や会員サービスなどさまざまな部署から10人ほどが集まり、任期は原則1年。メンバーはリソースの9割を通常の業務に、1割はプロジェクトに割き、ワークショップの運営などを行う。

 これまでのワークショップのテーマには、関係性の質を高めるために「心理的安全性の高い職場とは何か」「心理的安全性を意識しながら、指摘すべき時にはどう伝えれば良いか」といったテーマを選定してきた。

 「みんなでオフィスを作りましょうと言っても、こうした取り組みの下地がなかったら社員はあまり参加しなかったかもしれません。これまでワークショップを行ってきたからこそ、すぐに対応してもらえたのかなと思います」(木村氏)

 リノベーションのためのワークショップも、LMフィロソフィの実践・浸透のための活動の一環として、プロジェクトメンバーが中心となって実施した。言ってみれば、新たなオフィスを全社的に作っていくなかでLMフィロソフィを浸透させることこそ、真の目的だった訳だ。

 出来上がったオフィスは、この目的を設備に反映させたものになった。

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