東京23区で最も値上がり率が上昇した中古マンションは? 「駅近」より「快適性」重視の傾向も「高層マンション」がランクイン

» 2021年07月23日 10時00分 公開

 マンションナビを運営するマンションリサーチ(東京都千代田区)は、2021年上半期の「東京23区中古マンションの値上がり率」を調査した。その結果、1位は「ワールドシティタワーズ ブリーズタワー」(港区)だった。

マンション 東京23区の中古マンション値上がり率は?(画像はイメージ)

 ワールドシティタワーズ ブリーズタワーは、前年比平均単価上昇率+21.6%だった。品川駅から徒歩14分とやや距離はあるが、居住者専用の品川駅行のシャトルバスが運行するなど共用サービスが充実している。住友不動産販売が手掛ける「ワールドシティタワーズ」からは、5位に「アクアタワー」もランクインした。

マンション相場 値上がり率ランキング(マンションリサーチ調べ)

 次いで2位は「アウルタワー」(豊島区)で、前年比平均坪単価上昇率+20.0%だった。豊島区では唯一のランクインだが、東池袋駅直結という立地で池袋のサンシャインシティの隣に位置する点が人気のようだ。

 3位は「プラウドタワー東雲キャナルコート」(江東区)で、前年比平均坪単価上昇率は+18.5%だった。野村不動産「プラウド」シリーズの中でも地上52階の超高層タワーで、東雲エリアの人気も高い。商業施設やレストラン、キッズルームやフィットネスルームなどの施設がそろう点が評価されたようだ。

  値上がりしたマンションの傾向として、ランクインした全てが地上20階以上の高層マンションであった。タワーマンションの人気は以前より高かったが、コロナ禍で「共用施設・サービスが充実している」点がニーズと合致したようだ。

 また、駅からやや距離のあるマンションも人気だった。外出自粛やテレワークで、家で過ごす時間が増えたことから、「駅近」以上にマンションの快適性や開放感を重視する層が増えた。湾岸エリアの人気が上がっていることからも、「マンション周辺が開けている」「敷地の広さ」「リバービュー」という点が見直されている傾向があった。

高層マンション 駅近よりも快適性を重視?(画像はイメージ)

 築年数では、築10〜15年の中古マンションのランクインが多かった。「築浅」とは呼べないが、00〜10年代はマンションの基本性能が向上した時代で、換気機能や各種設備、共用施設が今と大きく変わらないマンションも多い。その中でも、資産価値を重視したブランドマンションの比率が高い傾向が見られた。リノベーションやリフォームも一般的になってきた今、中古マンションの価値が再評価されている。

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