「日本企業も攻撃します」 地下サイトにあるハッカーサービスの実態世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)

» 2021年07月29日 08時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]
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誰にでも明日にでも

 企業などにとって大事なのは、ハッカーたちに囲まれている事実を把握して、きちんと対策を講じること。サイバー攻撃を受ければその対処法などに、企業は莫大な費用がかかるので、先行投資で対策しておく必要がある。

 海外に目を向けると、企業がサイバー攻撃を受けた場合の平均的な被害額は380万ドルとも言われていて、その額は上昇傾向にある(参照リンク)。企業規模によって上下はするだろうが、かなりのコストになることは間違いないので、そうならないように必要な費用として、何層にもセキュリティ対策をして、日本国内全体で情報共有をできる環境と法整備、プラットフォームを作る必要がある。それが中長期的に、サイバー攻撃の脅威を減らすことにもつながるだろう。

 サイバー攻撃は、誰にでも、明日にでも、襲いかかってくる可能性がある――。その自覚が必要だ。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 元MITフェロー、ジャーナリスト、ノンフィクション作家。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト・フェローを経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)がある。テレビ・ラジオにも出演し、講演や大学での講義なども行っている。


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