それだけ大会関係者向けのニーズはホテルにとって重要であったわけだが、五輪延期により仮押さえは開放され、冒頭に書いた通りに五輪どころではない状態となっていった。
総体的にみると、宿泊施設不足の需要ひっ迫によって誕生した民泊や簡易宿泊所には事業そのものを断念する施設も相次ぎ、一般のホテルや旅館でも廃業する施設は続出した。インバウンド活況からの五輪ムードは一転、惨憺(さんたん)たる状況が続いていることはいまも変わらない。
多くの会場が無観客の中で開催されたわけだが、大会1カ月前に宿泊予約サイトで空室をリサーチしてみると、やはりというか通常の価格で空室が多く見つけられた。
このように利用者目線からすると表面的には特段の傾向がみられず、一般の方々にとっても五輪とホテルは関連付けられるトピックでもなかった。しかし、多かれ少なかれ大会関係者の需要はあったわけで、実際、五輪によりホテルの稼働や料金はどのくらい押し上げられたのだろうか。
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