親しみやすい価格帯は確かに入店動機になる。だが一方で、「採算が取れるのか」という疑問も。同社では、キッチンのオペレーションを最適化し、圧倒的に回転率を上げることで売り上げを伸ばしているという。
「今回、日本で豊富な店舗経験を持つ本川功平を品質保証責任者として派遣し、現地スタッフをみっちりトレーニングしています。それでも、当初は天ぷら待ちの列ができていましたが、最近はスタッフがスキルを身に付け、どんどん回転率が上がっています」
天ぷらは、当初30分で36個をあげるのが限界値だったが、現在では30分100個までスピードアップ。ちなみに、本川氏は30分144個と神業レベルのスキルを持つそうだ。
早い、うまい、安いに加えて、丸亀製麺が重要視する「ライブ感」と「おもてなし」も健在だ。
「足を踏み入れると、目の前に製麺の光景が広がり、ゆでたての麺、揚げたての天ぷらが提供され、自分好みの本格うどんを作ることができます。このライブパフォーマンスの要素は現地でも評価をいただき、『店内で日本を感じられた』というコメントもありました。
スピードと質の良さの両面を打ち出す、日本式のおもてなしも大事にしています。これから始まるクリックアンドコレクト(モバイル事前注文によるテイクアウト)サービスも、玄関口でサッとお渡しするのではなく、店内のライブパフォーマンスを体感していただける動線にしました。テイクアウト専門スタッフが商品を手渡しつつ、召し上がり方やフリー薬味トッピングをご案内するなど、温かみのある接客を提供します」
オープンから約1カ月が経過した現在、1日の平均客数は700人ほどで、900人を超える日もあったという。客層はアジア系3割、ヨーロッパ系7割で、35歳以下が約7割を占めているとのこと。
「オフィス街とショッピング街が融合した立地ということもあり、当初から食のトレンドに敏感な20〜30代がターゲットでした。現在までは、ほぼ見込み通りの集客です。もう少しコロナが落ち着けば、ビジネスマンなどが増えるのではと思っています」
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