メニュー同様、店舗設計も“伝統的な価値観”と現地の人々が感じる“快適さ”を融合しているが、「もっとも議論が白熱した」とか。
「丸亀製麺らしい体験は提供したいけれど、現地の感覚でデザインが野暮ったくなるのは避けたい。このバランスを取るのが非常に難しかったなと。最終的に英国人建築家のセンスに託しましたが、うどんをイメージしたライトを提案されたときは、『これは丸亀製麺的にアリなのか?』と悩み、2カ月に渡って議論しました」
若い世代をメインターゲットに据えていることもあり、写真に映えるようなスポットも用意。ほどよくローカライズしつつ、製麺所を連想させる空間を目指したそうだ。
グランドオープンに向けたPR施策は、日英の両サイドで実施。現地向けには、英国でのマーケティング実績を持つ専任者を現地採用し、現地のトレンドを加味しながらプロモーションしたところ、予想以上の集客が得られた。
「一つ効果的だったのは、工事中の期間に店舗前で実施したイベントの数々です。『Window to Japan』と銘打って、日本の映像や丸亀製麺のライブパフォーマンスの様子を5〜6枚のモニターで流したり、現地で有名な画家や漫画家を呼んでライブペイントをしたり。また、デジタルプロモーションではSNSやWebでの告知に加え、事前登録でプレゼントが提供される会員登録キャンペーンを実施したところ、登録者が1万人を超えました」
一方、日本でもPR施策が成功し、かなりの注目を集めた。
「ワールドビジネスサテライトや各社の新聞で取り上げられたほか、ヤフーニュースでもトップに掲載され、2000ほどのコメントが寄せられました。なかでも価格に言及する声が多く、『高すぎる』と言う人もいれば、『現地の相場では安い』と反論する人もいて、しまいには経済評論家が持論を展開するなど、議論が盛り上がっていましたね」
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