――他にも容器でこだわっている点はあるのでしょうか。例えば、最近は飲料業界を中心に「ラベルレス」の取り組みも進んでいますが、ジャムメーカーでも導入できないのでしょうか。
松木: はがしやすさ以外の使い勝手でいうと「開けやすさ」ですね。びんを握りやすくして、キャップを開ける力をできるだけ小さくする工夫をしています。そういった意味では、びんの形状や材質にもこだわっています。
ラベルレス化はもちろん技術的にできないことはありません。ただ、飲料製品の場合は賞味期限などの表記をシールで貼ったり、ダンボールに記載したりしていますよね。現状の売り場やお客さまがジャム製品に求めている荷姿を考えたときに、その形で商品を展開するのはまだハードルが高いかと考えています。
藤原: また、一人暮らしの人が増えたこともあり「150グラムの商品を使いきれないよ」といった声もあがっています。そこで、1回使いきりタイプの商品も展開しています。
松木: あの、実は早めに言った方がいいのかもしれないですが……。
――何でしょうか?
松木: 開発した理由として分別の話をあげましたが、そもそもゴミ出し時にラベルをはがさないといけないかというと、ちょっとグレーなんですよね。
(全国清涼飲料連合会によると、ガラスびんは、リサイクル時に1500度の高温で溶かすため、取りにくいラベルはそのままで良いとしている)
いや、実態はそうなのですが、2000年当時は分別がすごくキーワードになっていたため、「ラベルをはがす」ことが日本人の習慣となっていた部分もあるのかもしれません。
藤原: はがしやすいのりを導入したことが、売り上げに直接どれくらい影響しているのかは正直分かりません。しかし、多くのお客さまからお褒めの言葉をいただいていて、これまであった「はがれにくい」「キャップが開けにくい」といったご指摘が減っている点が私たちの励みになっています。
(終わり)
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