さて、このFireWood Home、実は「新商品」ではない。2012年に「FireWood」(7140円)を発売していて、今回はリニューアル版である。前回は大人のインテリア玩具としてPRし、30〜40代の男性を中心に売れていた。しかし、今回は違う。40〜50代の男性にウケているものの、20代にも支持されているのだ。
初代の発売から9年が経っているが、外部環境にどのような違いがあるのだろうか。答えは「キャンプを楽しむ人が増えたこと」。家族でバーベーキューを楽しむ人が増えただけでなく、ソロキャンプという言葉も登場した。また、新型コロナの感染拡大を受けて、おうちキャンプやベランピングの人気も高まっている。こうした背景を受け、企画会議で「FireWoodを復活させようじゃないか」という声が高まり、このたびの商品化に至ったのである。
では、初代と二代目でどのような違いがあるのだろうか。9年という月日を考えると、機能面で大幅なアップが期待できる。しかし、資料をよーく見ても、何度確認しても、それほど変わっていない。同社の担当者に聞いてみても、「以前のモノは音量がアリ・ナシという設定でしたが、今回は大・小・ナシとしました」とのこと。
さらに話を聞いてみると、以前のモノはイヤフォンジャックを搭載していて、本体と携帯電話をつなげば、スピーカーとして使えるようにしていた。で、今回はどうなっているのか。Bluetoothを搭載しているのかな? と思っていたら、「いえ、ないです。そのぶん価格を7140円から5940円とお安くさせていただきました」(担当者)。新しい機能が増えているどころか、削っていたのだ。
取材をしていて、手に汗がにじんできた。「このままでは記事化することが難しい。マズイぞ」と心の中で焦りを感じていて、記事をアップしても読者からお叱りの言葉が飛んでくるかもしれない。「おもしろいネタはないのね。じゃあ、これで」と離脱するかもしれない。ちょっと、待っていただきたい。二代目発売にあたって、開発担当者の村田素子さんは、薪がはぜる「パチパチ」の音を再収録していたのだ。
「はあ? 再収録がニュースになるの?」と怒りの“炎”が高く舞い上がって、パチパチ音も大きくなりそうだが、心のセンサーを右から左になぞって、弱めていただきたい。たき火の音を収録するには「キャンプ場で火をおこして、マイクを向ければいいだけでしょ」と思っていたら、ちょっと違っていたのである。
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