晴れる屋もマジック:ザ・ギャザリングのみを扱う専門店として、現在では北海道から九州まで全国18店舗を展開するほか、オンラインショップも盛況だ。
プレイヤーから要らなくなったカードを買い取り、必要としている人に販売するという中継貿易のようなビジネスモデルで、2009年の創業から一貫して成長を続けており、20年度の年商は約36億円だった。
知る人ぞ知る、裏を返せば、知らない人は今まで知ることのなかった巨大なマーケットが存在していることとなる。マジック:ザ・ギャザリングのプレイヤーが約600万人であることを考えると、人口だけでいえばシンガポールと匹敵する規模だ。
今回3000万円もの値が付いたBlack Lotusについて、藤原さんは「マジック:ザ・ギャザリングの人気が落ちない限り、値下がる可能性が少ないということが高値の要因として大きいと思います」と話す。
それは、Black Lotusが単純にカードとして強いという面もあるが、全く同じテキストやデザイン、効果のものが二度と発行されないということが確約された「再録禁止」のカードだからだ。手に入れようと思っても、もう新品としては絶対に手に入らない。
「欲しい人にとっては、1枚持っているだけでテンションが上がるような『分かる人には分かる』という魅力があります。今、一説によると2000万円や3000万円のカードが世界には1000枚ほどあるといわれています」と藤原さん。楽器やデニムに息を飲むような高値が付くのと同じように、その分野の特定の価値ある物を求める人たちは、無関心層が不思議に思うほどの“宝物”を追い求めている。
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