1枚3000万円の激レアも コロナ禍で“トレカブーム”が再来しているワケマジック:ザ・ギャザリング(4/4 ページ)

» 2021年10月12日 06時30分 公開
[長濱良起ITmedia]
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ポケモンカード専門店はオープン初日で800万の売り上げ

 創業当初からマジック:ザ・ギャザリング専門店として展開してきた晴れる屋が、7月7日にポケモンカードゲームの専門店「晴れる屋2」を東京・秋葉原に出店した。「マジック:ザ・ギャザリング」以外の商品を初めて扱うという意味で、心機一転、店名に「2」の文字をあしらった。オープン初日だけで1000人以上が訪れ、800万円を売り上げた。同7日〜31日では1億円以上を売り上げたという。

ブラック・ロータス ポケモンカードゲーム専門店「晴れる屋2」(出所:プレスリリース)

 ポケモンカードも、レアカードには高値が付く。例えば「かいりきリザードン」という種類のカードには状態によって数百万円もの値打ちがあり、かつてのポケモンカードの大会優勝者や準優勝者に特典として配られたカードは、フリマアプリで1000万円近くの値が付いている。

 「ポケモンはずっと続いているとんでもないコンテンツです」と藤原さんが話すように、96年の登場以来、25年間も子どもたちの人気を獲得し続けている。25年前の子どもたちは現在、子を持つ親になっている人も多い。「子どもたちがテレビゲームでポケモンをしているのを見て、大人のポケモン熱も再燃しています。子どもと一緒にハマれるゲームなのかなと思います」。

 中でもポケモンカードはルールがシンプルで初心者にはうってつけだという。そのような敷居(しきい)の低さこそが、TCG業界全体の底上げにもつながる。子どもをきっかけにして、購買力のある大人が市場に参入する。

 「当社が出店した地域でTCGが盛り上がって、結果的に利益が生まれます」と藤原さんは話す。プレイ人口が増え、カードの売買が増えると市場が盛り上がる。今、TCG業界は「正のスパイラル」に突入した。晴れる屋は「カードを売る」というより「TCGの文化を売る」ことで市場開拓・拡大に成功した好例ともいえる。

著者プロフィール

長濱良起(ながはま よしき)

フリーランス記者。元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。

琉球大学マスコミ学コース卒業後、沖縄県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。

2018年、北京・中央民族大学に語学留学。同年から個人事務所「XY SUDIO」代表。記者・ライター業の傍ら、フリーのTVディレクターや音楽制作業でも活動する。1986年、沖縄県浦添市出身。

著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(東洋企画工房)がある。


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