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» 2021年10月12日 08時00分 公開

渋谷の一等地で、コーヒー1杯99円 なぜこのビジネスが成り立つのか?3分インタビュー(1/2 ページ)

「安いのは嬉しいけど、安すぎるとちょっと不安」という心理に陥ったことはあるだろうか?渋谷の地下街で「コーヒー1杯99円」というカフェの看板を見たときにそう思った。なぜこのビジネスが成り立つのだろうか?運営会社に話を聞いたところ……

[熊谷紗希,ITmedia]

3分インタビュー:

 「SNSで話題のあの商品はどうやって開発したの?」「なぜこの会社はこんな取り組みを進めているの?」ちょっと気になっていた企業の“なぜ”をコンパクトに紹介します。

 サービスや製品に込めた思いや苦労話など、担当者にしか分からない「裏側」を徹底取材。仕事が忙しくて、じっくりと情報を得ることができない人でも読めるよう、できるだけ簡潔にまとめています。テレワーク中の息抜きや移動時間、就寝前に「3分インタビュー」でサクッと情報収集!

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 「安いのは嬉しいけど、安すぎるとちょっと不安」という心理に陥ることはよくある。渋谷スクランブル交差点の真下を通る地下商店街「シブチカ」に7月1日にオープンした「AZLM CONNECTED CAFE(エイゼットエルエム・コネクテッド・カフェ)」にも同様のワクワク感と不安を感じた。

 このお店、会員登録するだけで、400万円のエスプレッソマシンから抽出したコーヒーを99円で飲むことができるのだ。コーヒー以外にも、ロイヤルミルクティは111円、ホワイトモカは99円など、渋谷の一等地にあるカフェとは思えない価格設定となっている。どのようなビジネスモデルなのだろうか? 運営会社の中村武治社長に話を聞いた。

シブチカに7月1日にオープンした「AZLM CONNECTED CAFE」と中村社長

コーヒー1杯99円、このカフェは大丈夫なのか?

――コーヒーは1杯99円から、どんなに高くても150円のドリンクしか見当たらないのですが、このお店は大丈夫なのでしょうか? 利益はおろか、家賃すら払えないような……

中村: もちろん大丈夫です(笑) カフェの形態ではありますが、そこで収益をあげているわけではありません。店内の区画分けされたスペースを企業に貸し出し、出品費用をいただくというビジネスモデルになります。

 1区画(15センチ×25センチ)の費用は3万3000円で、1カ月から出品可能です。現在の出品企業数は約200社となっています。オープン直後に緊急事態宣言が発出されてしまいましたが、解除されてから出品の問い合わせ数が約5倍に増えています。

 現在の出品企業としては、地方自治体が2割、その他が民間企業という感じです。渋谷の一等地に3万3000円から出品できるという点を魅力に感じてくださっている人が多いです。コロナ禍で観光業が縮小したことから、消費者に商品を知ってもらうための手段として考えているのだと思います。

店内には約200企業の商品が並ぶ

――最近よく見かける「体験型店舗」「ショールーム店舗」と似ている感じがしますね

中村: ビジネスモデル自体は似ていますが、通常の「体験型店舗」とはあり方が違うと考えています。体験型店舗や通常の店舗は、「あの商品が欲しいから」「何か面白い商品に触れたいから」という目的があって来店しますよね。当店は「日常空間」つまり、仕事をしたり、コーヒーを飲んだり、待ち合わせしたりなど生活するうえで自然と使ってもらえる場所を目指しています。

 安すぎるドリンクも、日常空間化するための仕組みです。現在はドリンク11種類、デザート1種類ですが、今後はラインアップも拡充していきます。「これだけ安くておいしいドリンクや軽食があるなら、あそこで仕事しよう、休憩しよう」という状態を作り出すことが大事だと考えています。

 オープンして3カ月がたちましたが、現在の会員数は約2000人で、毎日40〜50人ずつくらい増えています。再来店率は9月末時点で23%。一般的なカフェの再来店率は分かりませんが、日常空間化できている数字だと感じています。

安すぎるドリンクメニュー。今後ラインアップを拡充していく
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