それにしても、なぜ日本でもセルフ式の写真撮影が人気を集めているのだろうか。キャラットの広報を務める鈴木早百合さんに聞いたところ、3つのポイントを挙げた。1つめは「コロナ禍にオープンしたことが大きかった」とのこと。
「ん? 感染が広がると“逆風”が吹いているのでは?」と思ったが、実は逆。新型コロナの広がりで、多くのイベントは中止に。結果、写真を撮ることも減少。「ちゃんとした写真を撮って、夏の思い出を残したい」という気持ちが高まって、利用する人が増えたというのだ。
2つめは「『自分でシャッターを押す』という“体験”がウケたのではないか」とのこと。確かに。スタジオに入れば、プロのカメラマンがパシャパシャと撮影してくれる。経験したことがない人でも、そのように想像するはずだが、「自分でシャッター押す」という新鮮さも魅力の一つになったのかもしれない。
3つめは「韓流ブームは若者の間で続いていて、抵抗なく受け入れられたのではないか」とのこと。生まれたときから韓国ドラマや料理などが身近にある世代なので、気軽に「ちょっと撮ってみようよ」といった人が多いのかも。そーいえば、若い男性の間で「センター分け」と呼ばれる髪型が増えているそうで。K-POP風の容貌を意識して、前髪を真ん中あたりで分けるスタイルが流行っているそうだ。
そんなこんなで、「はい、チーズ」(ちょっと古い?)と言って、自分で写真を撮る。このスタイルの事業は好調な滑り出しと言えそうだが、懸念が一つある。自分でシャッターを押す人がどんどん増えていくと「これでいいじゃないか」「いや、これがいいんだよ」といった声が強まるはず。となると、同社のメイン事業である「プロによる撮影」がじわじわ衰退していくのではないだろうか。
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