フィンテックで変わる財務

米国のFintechはどうなっているの? 新しいサービスに共通点あり銀行と連携(1/3 ページ)

» 2021年10月22日 08時00分 公開
[中山悠介ITmedia]

 米国では、決済、送金、銀行(ネオバンク)などの領域においてさまざまなFintech企業が大きく成長し、加えてUber(ウーバー)やApple(アップル)のような他業界のメガテック企業からもFintech領域への事業進出が加速しています。

 個々のサービスの説明は省略しますが、以下の企業はその代表的なプレイヤーです。

  • 個人間送金:Venmo(ベンモ、PayPalの子会社)、Cash App(キャッシュアップ、Square)

  • 給与早払い:Earnin(アーニン)

  • デビット/プリペイドカード:ウーバー、Doordash(ドアダッシュ)、affirm(アファーム)

 どれもが、従来は銀行などの伝統的な金融機関によるサービスがメインであった領域に、モバイルとインターネットの力を武器に優れたユーザー体験(使いやすさ、価格、品質)を提供することで市場を席巻しています。

 これらのサービスには、一つの重要な共通点があります。それは、すべて伝統的な銀行との連携サービスであるということです。

 過去からずっと銀行界が培ってきたネットワーク、インフラ、信用力は、Fintech企業にとってぜひとも活用したいアセットです。具体的には、銀行の持つアカウント管理機能、本人確認(KYC)、送金インフラ、国際ブランド(Visa/Master Card)カード発行などのインフラがその典型です。

 上述したプレイヤーたちは、銀行のアセットを利用しつつも、自社サービスとして統一感あるUI/UXを徹底しているため、ユーザーはその裏にいる銀行を強く意識することはありません。

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