では、これらのFintechサービスの仕組みの裏側はどうなっているのでしょうか?
これらのFintechサービスと銀行システムの間はAPIでデータ連携されています。インターネットを通じてFintechサービスが、銀行側が用意したAPIを経由してそれぞれの事業に必要なデータを取得しているのです。これだけ聞くとシンプルな仕組みに思えるかもしれません。
しかし、米国内には1万を超える金融機関が存在するため、広いユーザー層にサービスを提供しようと思うと、これらの金融機関とそれぞれシステム接続しなければなりません。事業スピードが何よりも大事なFIntech企業にとって、これは非常に大きな課題です。
この課題を解決しているのが、Plaid(プレイド)という会社です。昨年にVisaが買収計画を公表(その後、撤回)したことで一躍有名になりました。プレイドは銀行などの金融機関の提供するさまざまなAPIを束ねてワンストップで提供しています。Fintechサービスは時間と工数をかけて1万もの金融機関に接続するのではなく、プレイドシステムのみに接続するだけで、同社が束ねている金融機関のAPIを利用することが可能になります。
米国で生活していると、ほとんどのFintechサービスでプレイドが登場します。ユーザーは各サービス(その多くはスマートフォンのアプリ)を利用する際に、そのサービスを通じたプレイドへの個人データ連携許可を求められるのです。これを許諾することで、プレイドにひも付けている自分の銀行口座の情報が各Fintechサービスに連携されることになります。
プレイドの存在はユーザーにとっても大きな価値があります。自分の銀行口座とのデータ連携を許諾する際には認証行為が必要となりますが、さまざまなサービスにプレイドが導入されているので、ユーザーはどのサービスにおいても統一的なUX/IXで認証を行うことができるのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング