ただし、このような姿勢を頭ごなしに批判することは建設的ではない。朝三暮四には、「巧みに人を欺く」といったネガティブな意味として一般的には認識されているが、これは裏を返せば「伝え方を工夫することで、相手の反発を避けながら自身の要求を通すことができる」という意味も併せ持っている言葉でもある。
プロモーションやキャンペーンなどを企画するにあたっては、成果だけでなくコストパフォーマンスも求められる。楽天ポイントをめぐっては、ゴールドカードの楽天市場における還元率低下や、SPU(スーパーポイントアッププログラム)条件の複雑化など、コアユーザーを中心とした改悪の批判が強まっていた。一方で、楽天側としては「負債」にあたるポイントの積み上がりが経営基盤を圧迫しかねないと危惧している現状もうかがえる。
そんな中、税抜きベースでのポイント還元という改悪と同時に、ポイント利息という新しい観点のサービスを取り込むことで、プラスの宣伝効果をもって将来の負債低減に貢献したとしたら、優れた戦略であるというべきだろう。
中央大学法学部卒業後、Finatextに入社し、グループ証券会社スマートプラスの設立やアプリケーションの企画開発を行った。現在はFinatextのサービスディレクターとして勤務し、法人向けのサービス企画を行う傍ら、オコスモの代表としてメディア記事の執筆・監修を手掛けている。
Twitterはこちら
楽天ポイントに利息付与 年率0.108% 共通ポイント初
楽天で相次ぐ“ポイント改悪”……それでも顧客は流出しない?
日本の金融所得税、実は庶民にとっては世界屈指の重税
楽天がポイント付与を改悪、税抜金額に 付与ポイントは1割減少
楽天ゴールドカード、SPU倍率を4倍から2倍に変更 年会費返金もCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング