フェイスブックの社名変更に勝算はあるか世界を読み解くニュース・サロン(1/5 ページ)

» 2021年11月04日 08時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

 世界で約28.5億人のユーザー数を誇るソーシャルネットワーキングサービス「Facebook(フェイスブック)」。その運営元であるメタ(旧フェイスブック)が、最近また話題になっている。

 まずは悪い話題だ。プロダクトマネジャーだった元社員が、同社の上層部はユーザーの安全性よりも自社の利益を重視しているとして、内部告発を行った。米議会の小委員会でも証言をして、大きなニュースに。元社員は大量の内部文書も暴露しており、欧米メディアが「フェイスブック文書」と呼ばれるその内容を次々と明らかにしている。

 さらに、英国でも別の元社員の内部告発者が英議会で証言するなど、批判が噴出している。

 2020年12月には、米連邦取引委員会(FTC)が反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで同社を提訴するなど、米国のみならず各国で調査対象になっており槍玉(やりだま)に挙げられている。同社への批判は、16年の米大統領選で国外からの政治的な情報工作が指摘されてからずっと続いている。

 こうした批判が高まっている一方で、良い話題になるのかどうかは分からないが、同社は社名を変更すると発表した。その名も「メタ(Meta)」だという。Metaというのは「超える」という意味で、Facebookは、同社が運営する「Instagram」「WhatsApp」などのサービスの一つという位置付けになる。

米国時間の10月28日にメタへの社名変更を発表した

 マーク・ザッカーバーグCEOは、同社はこれから「metaverse(メタバース)」の会社に代わると宣言している。メタバースとは、拡張現実(AR)などを使ったインターネット上の三次元の仮想空間のことで、スキャンダルにまみれた会社の今後進む方向を名称変更で示した。

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