英国のITサイト「The Verge(ザ・ヴァージ)」は7月22日、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOのインタビュー記事を掲載した。そこでザッカーバーグは、「メタバース」について熱心に“売り込み”をした。記事を引用する。
「6月が終わり、フェイスブックのザッカーバーグCEOは従業員に対して、野心的な新たな取り組みについて語った。フェイスブックの未来は、現在進められているソーシャル・アプリを絡め合わせる構想や、それを実現するためのハードを作る計画よりも、ずっと先進的なものになるだろうと、ザッカーバーグは言った。フェイスブックは、SF映画からそのまま飛び出してきたような究極の相互接続で絡み合った世界の構築を目指すことになる。それは『メタバース』として知られている世界だ」
つまり、世界で29億人近いユーザー数を誇るフェイスブックが、メタバースの構築に全力を上げると宣言したのである。ザッカーバーグは別の取材でも「『向こう数年で当社に対する人々の主な認識はソーシャルメディア企業からメタバース企業に変わると予想する』とした上で、『さまざまな意味でメタバースはソーシャルテクノロジーの究極の表現だ』と説明した」という(7月30日付、ブルームバーグ)。
メタバースの世界とはどんなものなのか。簡単に言うと、インターネット上の仮想空間を指す。
メタバースという言葉は、新しいものではない。米SF作家のニール・スティーヴンスンが1992年に『スノウ・クラッシュ』という小説で書いたのが最初だった。定義は「共有されるオンラインの空間で、物理的な実体と拡張現実、仮想現実が収斂(しゅうれん)されたもの」である。つまり、実社会と仮想空間が一緒になったサイバー空間のコミュニティーだと言える。
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