近年、子どもや若者の話を聞いていると、友だちとのやりとりはスマホのメッセージアプリなどを使わず、ゲームなどの仮想空間のなかのコミュニティーで行なっているという。そんなことから、筆者も将来はメッセージアプリや電子メールなどではなく、サイバー空間上にある世界でコミュニケーションが行われるようになるのではないかと考えていたので、ザ・ヴァージの記事を読んだ際には共感した。
2000年代の後半、メタバースと同じようなSecond Life(セカンドライフ)という仮想空間が話題になった。当時はインフラもテクノロジーも追いついていなかったために、利用する価値が見出せなかったが、新たなコンセプトでまた浮上してきたのである。
そのメタバースを、フェイズブックが力を入れて構築して、広めようと考えている。ザッカーバーグは、IT産業界で多くの企業がメタバースを注目しているとし、フェイスブックのようないち企業だけでなく、たくさんの企業とエンジニアたちがメタバースを作り上げていくことになると語った。そして、こう断言している。
「メタバースは、モバイルインターネットの後継者となる」
メタバースについて詳しい米ベンチャー投資家のマシュー・ボールは20年に、メタバースの必須条件を7つ示している。
(1)永続性がある:一時停止やリセットなどは存在しない
(2)ライブで同時多発:実社会と同じようなライブ状態
(3)ユーザーの上限なし:ただユーザーそれぞれが存在感を持つ
(4)完全に機能した経済:個人や企業が活動できる
(5)実社会との垣根なし:実社会/サイバー、オープン/クローズ、プライベート/パブリックにまたがる
(6)相互運用性:プラットフォームの垣根なし
(7)あふれるコンテンツと体験:個人や企業などが大量のコンテンツや体験を提供する
こうした条件がメタバースには必要だという。ただ今後、利用者が増えていけば、こうした条件は洗練されていくだろう。
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