フェイスブックの社名変更に勝算はあるか世界を読み解くニュース・サロン(4/5 ページ)

» 2021年11月04日 08時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

社名変更で成功した有名企業

 こういうケースは実は有名企業でもけっこう多い。米ボストン生まれの「ダンキン・ドーナツ(Dunkin' Donuts)」も18年に「ドーナツ」をなくしているし、「ケンタッキーフライドチキン」も91年に「KFC」に名称変更した。KFCの場合は、フライドチキンが健康的ではないというイメージを変えるべく、名前を変更したと、米紙などには指摘されていた。電気自動車のテスラも「テスラ・モーターズ」からモーターズを17年に取った。

 またこんなケースも。米小売大手ウォルマートは、もともと「Wal-mart」と間にダッシュが入っていたが、18年に「Walmart」に変更した。その理由は、公式サイトのアドレスが「-」のない「walmart.com」で、オンラインショッピングなど広く知られるようになっていたため、サイトのアドレスに合わせるために名前を変えたという。

 企業の方向性や価値観の変化などを示すのに名称変更は頻繁に行われていることが分かる。あらためて企業のアイデンティティーを示すという意味では、多くの企業が変更を行ってきた歴史がある。そしてそれが企業の存続や拡大にとっては重要な手段になっているといえそうだ。

「Walmart」の公式サイト

 ただネガティブなパターンもある。米警備会社だった「ブラックウォーター(Blackwater)」は、イラク戦争などで同社関係者がイラク市民17人の殺害に関与したことが明らかになり、メディアでも大きく取り上げられた。

 そんなこともあり、同社は09年に名前を「ジー・サービシズ(Xe Service)」に変更。しかし今度は同社関係者がアフガニスタンで民間人2人を殺害して有罪に。その後再び、名称を「アカデミ(Academi)」に変えている。このように過去を消すために名前を変更するというケースもあるが、今のインターネット時代には少し調べたら過去の事件もすぐに明らかになってしまうため、得策とはいえない気もする。

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