こうした失敗事例を踏まえて、SFA・CRMの導入を成功させるためのステップを考えていきます。
まずは、SFA・CRMの導入検討を勧める前に現状をリアルに把握します。中長期・短期の営業戦略に対して、現在地はどうなっているのか。その要因はどこにあるのか。また一番重要なのは、現場のセールスパーソンの業務フローがどうなっているのかを把握することです。そうすることで、「現在はExcelやスプレッドシートで顧客を管理しており、アップセル見込みのある顧客を探すフローが煩雑になってしまっている」などの具体的な問題が見えてきます。
現状を把握していくと、複数の問題が見えてくるでしょう。
そこで、全ての問題をSFA・CRMで一気に解決することを目指すのではなく、一番重要で、真っ先に取り組むべき課題を設定します。こうすることで、やるべきことが明確になっていき、もしかするとツールの導入などせずとも営業組織の問題を解決できるアイデアが出てくるかもしれません。
ここまで来ると、自ずと導入目的が見えてきます。
データの可視化が目的だとしたら、「いつにおける、どの数字を、何のために可視化するのか」。業務効率化が目的だとしたら、「現場セールスパーソンの業務フローの中で起こっている、どのプロセスを、何を目的に、どのような機能で簡単にするのか」。このような粒度で目的を明確にできれば、ツールを導入して利用する機能や、ダッシュボードの表示内容を考える際も取捨選択が容易になります。
導入目的を上のような粒度で明確にしたら、自ずとSFA・CRMに期待する機能がクリアになってきます。
ここで注意したいのが、あれもこれも、というように考え出すとキリがなく、実際には使わない機能も出てきてしまうということです。“Nice to have” で考えるのではなく、“Must have”で考え、まずは必要な機能の活用にしぼって計画を立てるようにしましょう。
実際に、SFA・CRMを検討された方はご存じだと思いますが、思っている以上にツールは多く存在しています。当たり前ですが、各ツールに強み弱みがあり、価格帯もさまざまです。
Step1〜4のプロセスを飛ばしてツールの検討から入ってしまうと非常に混乱してしまいますが、導入目的と必要な機能まで明確になっていれば、比較的簡単にどのツールが適しているかの判断ができます。
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