J.D.パワーは11月5日、2021年コンタクトセンターサポート満足度調査「金融業界編」の結果を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大以降さまざまな業種や業界において店舗や対面以外でのサポート窓口としてコンタクトセンターの重要性が増している状況を受け、今回初めて調査を実施した。
調査は「全国系銀行」「ネット銀行」「対面証券」「ネット証券」「生命保険会社」「代理店系損害保険会社」「ダイレクト系損害保険会社」「クレジットカード会社」の金融8業態を対象とした。
金融8業態全体でみると、直近で利用したコンタクトセンターサポート機能は「コールセンター」が56%と最も多く、「FAQ(よくある質問)ページ」が22%と続いた。コールセンターの負荷軽減を図るため多くの企業が導入している「チャットサポート」の機能だが、「オペレーター」「自動応答」ともに1割未満にとどまる結果となり、金融機関のサポート機能としてはまだ広く普及していない現状が明らかとなった。
また、利用したコンタクトセンターサポート機能では、年齢により大きな違いが見られた。年齢が高くなるほど「コールセンター」の利用が多く、年齢が低くなるほど「チャットサポート」や「FAQ」の利用が多いことが分かった。
サポート機能別の満足度では、1位が「オペレーターによるチャットサポート(有人チャット)」で750ポイント、2位には「コールセンター」746ポイントと続いた。
評価の詳細を見ると、有人チャットでは「利用のしやすさ」「問題の解決や対応に要した時間」が、コールセンターでは「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」「説明、応対の丁寧さ」がそれぞれ高い評価となった。一方、AIチャットポットでは「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」の評価が特に低く、利用者の半数が「解決しなかった」と回答しており回答精度の向上が大きな課題といえる。
顧客総合満足度ランキングの結果では、全国系銀行部門で「三菱UFJ銀行」、代理店系損害保険会社部門で「損害保険ジャパン」、ダイレクト系損害保険会社部門の「ソニー損害保険」、クレジットカード会社部門の「アメリカン・エキスプレス・インターナショナル」がそれぞれファクター4つ全てで最高評価を得て、首位を獲得した。
顧客満足度を構成するファクターは「利用のしやすさ」「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」「説明、応対の丁寧さ」「問題の解決や対応に要した時間」の4つとなっている。
調査は、21年9月初旬〜中旬に金融機関においてコンタクトセンターサポートを利用した20〜74歳の男女を対象に、インターネット調査にて実施した。
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