元バイトAKBのラーメン店、産地偽装は返金で許されるのか?:専門家のイロメガネ(3/4 ページ)
景品表示法は商品などの表示でウソを規制する法律だが、優良誤認といって実際の商品よりも著しく良いものであるかのような表示は許されない、という規制がある。
この法律を所管しているのは消費者庁だが、消費者庁は疑いのある表示について根拠を示すよう事業者に要求可能だ。根拠が示されない場合、不当な表示として違反したことを消費者に周知徹底することや、再発防止策を講ずる措置命令が事業者に出される。
景品表示法が定める優良誤認の例(消費者庁パンフレットより)
今回の事例であれば、こだわりの食材だから高い料金を払った、そうでなければこの金額は払わなかった、という顧客もいるだろう。顧客の不利益で事業者が利益を得るようなビジネスは当然のことながら許されないため、表示に関するルールが法律で決められている。
この措置命令がなされた場合、併せて出されるのが「課徴金命令」だ。
行政処分だけでは確信犯的に違反する事業者の抑止力とならないため、行政処分とはまた別に課されるペナルティの制度だ。対象となった不当な表示から得た売り上げの3パーセントが徴収される仕組みとなっている。
過去の違反例では加熱式のたばこアイコスが行った「期間限定で安く買える」とした広告に対し、実際には期間を過ぎてもキャンペーンを行っていたことから虚偽に当たるとして、フィリップモリスジャパンに5億円を超える課徴金を課したことがあった。事業者にとっては大きなペナルティだ。
この制度は16年にスタートした新しい制度で、高級ホテルの飲食店で「車エビ」と表記しながら実際はブラックタイガーだった例を含め、当時多くの有名ホテルなどで発生した原材料の不当表示がきっかけで創設された。
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