えっ、ベッドや机が天井から降りてくるの? 米国の元アップル社員が挑む「住宅革命」日本進出も視野(5/5 ページ)

» 2021年11月25日 07時00分 公開
[小林香織ITmedia]
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2022年末をメドに日本進出を目指す

 住宅革命ともいえる斬新なサービスを提供するバンブルビー社は、投資家からも熱視線を注がれており、テスラやスペースXにも投資するValor Equity Partners(バロー・エクイティ・パートナーズ)やToyota Ventures(トヨタベンチャーズ)などから総額24億円を調達している。

 トヨタベンチャーズの最高責任者、かつボードメンバーのJim Adler(ジム・アドラー)氏に投資した理由を尋ねると、「スマートデザインとロボティクスを活用して都市部に住む人々を支援するバンブルビー社のアプローチに感銘を受けたため。テクノロジーが人々の生活の質を向上させている素晴らしい例だ」とコメントした。

 さらに、トヨタベンチャーズでは「バンブルビー社にとって、日本は理想的な市場」だと考えているそうだ。ムルティ氏も同様に、「日本はターゲット市場の一つだ」と話す。

 「日本をはじめ、アジア各国から問い合わせがあり、アジア市場での手応えを感じています。トヨタベンチャーズ社から投資を受けていることもあり、すでにいくつかの日本企業とはプロジェクトに発展しています。2022年末から23年初頭までには日本に進出できると思います」

十分なスペースの確保が難しい都心のマンションは、格好のターゲットかもしれない

 グローバル展開を実現するには、現地で影響力を持つデベロッパーとのパートナー契約や安定した商品の供給、メンテナンスの体制構築など、クリアーすべき課題は多い。ただ、居住スペースの課題を抱える都市部では、画期的なソリューションになりえるはずだ。

 「いずれはキッチン家具、子ども部屋の家具など、あらゆるモノを天井収納できる世界観を目指しています。現在は住宅に重点を置いていますが、オフィスの会議室など活用の範囲を広げることも可能です。1人当たりが所有する住宅の面積が小さくなれば、地球全体に良い影響を与えることができる。これが持続可能性につながると私たちは考えています。まずは米国とカナダ、その後は日本を含めたアジアでも展開を加速します」

写真提供:バンブルビー・スペース

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