松井証券は2022年1月4日から、投資信託に対するポイント還元サービスを強化し、「投信毎月ポイント・現金還元サービス」を開始する。これにより、預け入れた投資信託の金額に対し年間最大0.85%を還元するようになる。
投資信託コストのうち、松井証券の取り分を上限0.3%とし、それを上回る部分を顧客に還元する。さらに、ポイント還元の場合、10%を上乗せする。
投資信託には信託報酬として預け入れ額に応じたコストがかかる。このコストは、運用会社、受託会社(信託銀行)、販売会社の3社の取り分となる。このうちの多くを占める販売会社の取り分を、ポイントなどの形で投資家に還元する取り組みが、ネット証券を中心に増加している。
松井証券が例に挙げるピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)では、信託報酬1.21%のうち、販売会社が0.7%、運用会社が0.35%、受託会社が0.05%を受け取る。販売会社である松井証券取り分0.7%のうち、0.4%を投資家に還元する松井証券の「投信毎月ポイント・現金還元サービス」の場合、松井証券の取り分0.3%を超えた分を還元するため、信託報酬が高い投信ほど還元率が大きくなる。SBI証券では「投信マイレージ」という形で信託報酬の一部をTポイントで還元する。還元率は銘柄によって異なるが、通常銘柄であれば0.1〜0.2%を還元する。楽天証券では、「ハッピープログラム」の名称で楽天ポイントを還元し、還元率は0.036〜0.12%と銘柄によって異なる。マネックス証券やauカブコム証券も、同様の還元プログラムを用意している。
株式などの売買手数料の引き下げ競争が強まる中、ネット証券各社は預り残高に応じて手数料が得られるストック型のビジネスを重視し始めている。クレジットカード決済での積立によってポイントを還元するだけでなく、預け入れ残高に応じた還元プログラムも強化されてきており、この分野でも競争が過熱しそうだ。
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松井証券、米国株取引を開始 22年2月Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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