座席指定のないフリーアドレスで、オフィスにいる人がまばらだと、会いたい人になかなか会えないこともある。
プロジェクトを一緒に進めているメンバーが出社しているとは聞いたけれども、どのフロアのどの部屋にいるか分からず、探したいけれども会議中や商談中だったら申し訳ない──と、気軽に連絡が取れないこともあるだろう。
SmartOfficeNavigatorは、相手に尋ねずとも、出社している社員がどのフロアのどの部屋にいるのかが検索で分かる仕組みとなっている。
この仕組みを可能にしたのが、ビーコン……ではなく、Wi-Fiのアクセスポイントだという。個人が使っているスマホまたはノートPCが接続されているアクセスポイントから判別するのだ。
Wi-Fiアクセスポイントを利用することには3つのメリットがある。
1つは新たな設備を増設しないで済むため、初期費用がかからないこと。2つめは精度が高いこと。3つめはWi-Fiのセキュリティ機能により、外部に位置情報が漏れにくいというものだ。
検索した後に、そのままWeb会議を立ち上げてオンライン会議を開始できるというが、せっかく同じオフィスに出社しているのであれば、話しかけに行くのも良いだろう。
展示会場となっている内田洋行の新川第2オフィスの2階と4〜7階までの内装は、オフィスに緩やかな仕切りを作れる「SmartInfill-Compartment」(スマートインフィルコンパートメント)とスケルトン天井を組み合わせて空間を構築している。
SmartInfill-Compartmentの枠内にガラスなどの間仕切り材を入れれば会議室など遮音性の高いスペースになるし、グリーンカーテンや取り付けタイプのホワイトボードなどを引っ掛ければオープンタイプのスペースが完成する。
床に固定できるため、会議室や集中して作業したい時に便利な個人用ブースなどを簡単に構築できる。コロナ禍で急にWeb会議の需要が増え、会議室が足りないという問題に直面した企業も少なくないが、そうした状況の変化に応じて部屋の数や広さを変えられる。
会議室利用で、最も時間を無駄にしつつ心理的負担が大きいのが「機器の設定がうまくいかず会議がなかなか始められない」というものではないだろうか。また、会議室に入ったところ寒い・暑いなどで集中できないというのもストレスになる。
内田洋行の既存製品「SmartRooms」(スマートルームズ)と、前述のSmartOfficeNavigatorを組み合わせて会議室を予約しておけば、会議開始10分前には会議室を適温にするために空調を作動させ、会議室入室と同時にディスプレイと会議システムが起動できるという。
これなら、1時間の予約時間をまるまる会議に充てられる。タイムロスがなく、快適に議論を戦わせられるだろう。
こうした技術を導入していると、座席利用に予約が必須でかえって面倒ではないだろうかという考えも浮かぶかもしれない。しかし、「RoomSense」(ルームセンス)があれば問題ない。ブースや座席にある人感センサーが人を検知することで、座席のLEDが赤く点灯したり、現在の利用状況をグループウェアに通知しサイネージで表示したりして可視化できるからだ。
また、各座席やブースにあるQRコードを専用アプリで読み込むことで、その場所を使えるようにする内田洋行の「SmartWorkDesk」(仮称)も展示されていた。こちらもグループウェアと連動するため、利用開始と同時に、サイネージやSmartOfficeNavigatorアプリ内に利用状況が反映される。正規の方法で作業場所を探している人が、「予約してみたものの、実は埋まっていた」という事態を回避できる。
このように、「UCHIDA FAIR 2022」では、オフィスで過ごす時間を無駄にしないための製品が多く展示されていた。内田洋行の担当者は「オフィスに来ることの目的は、快適に仕事をすること。少しでもそのお手伝いをしたい」と話した。
【編集履歴:2021年12月8日 午後2時50分 初出時の製品名に誤りがあったため、修正いたしました。(誤)MamoruBiz→(正)SmartWorkDesk(仮称)】
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