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元DeNA社長の守安氏が語る「タイミーの2つの課題」 電撃転身の裏側で語られたこととは?人材業界のゲームチェンジャーになれるか(1/2 ページ)

» 2021年12月17日 08時30分 公開
[熊谷紗希ITmedia]

 10年間務めてきたDeNAの社長を4月に退任し、人材スタートアップ「タイミー」のCOOとして事業全般の拡大に携わることを発表した守安功氏。タイミーとはどんな会社なのか。

 タイミーは、代表の小川嶺氏が立教大学在学中に立ち上げた設立4年目のスタートアップだ。働きたい人と働いてほしい事業者側を面接不要でマッチングし、即日働けて即日給料が支払われるスキマバイトアプリ「Timee」を運営している。2021年9月時点での累計の資金調達金額は90億円に上り、女優の橋本環奈さんを起用したCMでも話題になった。

 ジョインの理由について、守安氏は「自分が関わったらすごく成長させられると思いました」と話す。一方で、「中長期戦略とそれに伴う組織マネジメント」については、今後調整していくべきポイントだと話す。

タイミーCOO 守安氏(左)、CEO 小川氏(右)

コロナ禍で落ち込んだ業績をV字回復。そこから見えた課題とは?

 「課題というより、これをどう伸ばしていくかに付随して発生する部分が大きいです。1点目は中長期戦略の設計について。2点目はそれに伴う組織マネジメントです」(守安氏)

 タイミーは、コロナ禍で大きな打撃を受けた。当時、多くを占めていた飲食事業者でのアルバイト募集が激減したのだ。大急ぎで物流業界にシフトし、落ち込んだ業績をV字回復させたという。スピーディーな意思決定があったからこそ実現できた業績の回復だ。

 「意思決定のスピードが早く、タイミーでは1〜2カ月を中期と呼ぶカルチャーがあります。従業員が100人以上になり、それなりに売り上げが立ってきたフェーズでは、もう少し長いスパンで事業を組み立てていく必要があると考えています」(守安氏)

タイミーが抱える課題について話す守安氏

 中長期の事業戦略に伴い、組織マネジメントの問題も発生する。タイミー代表の小川氏によると、現在は月10人ほどのペースで採用しているという。Timee上の求人も昨対比2倍以上になっており、飲食事業者の募集も戻ってきている流れがある。

 「より幅広い業種・業態でのアルバイトのニーズが生まれてくるのではないかと思っています。ここからがタイミーの出番です」(小川氏)

 サービスの急成長に伴い、組織が拡大していく中でどのように自社の人材をマネジメントしていくのか、その点も今後設計していく必要があるという。

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