退任発表後、守安氏のもとにはフランクなものから正式なものまで、10社ほどからオファーがあったという。タイミーは、面接不要で働きたい人と働いてほしい人をマッチングさせ、即日給与が支払われるサービスだ。
ITから人材という異業界へのキャリアチェンジ。タイミーを選んだ理由について守安氏は、「20年間インターネットのサービスをやってきて、DeNAでも数10個のサービスを立ち上げてきました。スタートアップへの出資・買収を通じていろいろなフェーズの企業を見てきたが、ピカイチに近いくらいの成長のポテンシャルを感じました。
タイミーは、インターネット業界ど真ん中のサービスだと考えています。通常の人材業界は、人材ビジネスがまずあって、それにシステムを対応させていくというやり方。タイミーはサービスがまずあって、それをどうユーザーに活用してもらうかというやり方。サービスありきのビジネスです」と話す。
退任後、起業の道も考えたという。0→1、1→10、10→100というさまざまなフェーズを経験する中で、生まれたサービスを拡大させる1→10が得意だと感じていた。
「プロダクトマーケットフィットが終わって、これからサービスを伸ばしていくぞ! という拡張の部分が好きですね。タイミーは自分の強みを生かせる実感がありました」(守安氏)
大物経営者が参画し、成長のアクセルを踏むタイミー。代表の小川氏はこの状況をどう捉えているのか。
「守安さんとは年齢は倍くらい、今までの経験の量も違います。ただ、タイミーの創業者は自分です。タイミーをどうしていきたいか、組織・カルチャーを作っていくのは自分だと考えています。プロダクトの成長戦略・戦術の設計において守安さんの右に出る人はいないと思います。守安さんが考えてくれた戦略を一緒にディスカッションしていき、明確に指針を決めて社内に打ち出していく、二人で一緒にやっていくにつきると考えています」(小川氏)
守安氏のDeNA社長退任が発表された2月以降、熱烈なオファーを出し続けてきたという。ほぼ可能性がない状態からのオファーだったと振り返る。タイミーの成長性や楽しさ、実現したい世界を語り続け、「YES」を引き出した。
日本には非正規雇用者が2000万人ほど存在し、労働力不足が大きな社会問題になっている。応募、履歴書の送付、面接という煩雑なアルバイトの採用フローを抜本的に変え、人材業界のゲームチェンジャーとして飛躍できるか、勝負の局面を迎えている。
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