「SNSで話題のあの商品はどうやって開発したの?」「なぜこの会社はこんな取り組みを進めているの?」ちょっと気になっていた企業の“なぜ”をコンパクトに紹介します。
サービスや製品に込めた思いや苦労話など、担当者にしか分からない「裏側」を徹底取材。仕事が忙しくて、じっくりと情報を得ることができない人でも読めるよう、できるだけ簡潔にまとめています。テレワーク中の息抜きや移動時間、就寝前に「3分インタビュー」でサクッと情報収集!
東京オリンピックの卓球混合ダブルスで、伊藤美誠選手とのペアで金メダルを獲得した水谷隼さん。第一線を退いたものの、博報堂DYメディアパートナーズが実施した「アスリートイメージ評価調査」では、「今年活躍した」男性アスリートで2位、「親しみやすい」アスリートで1位となった。そんな彼が、競技中に着用していたあるものが話題となっている。独特な形をした「サングラス」だ。
テンプル(つる)部分がレンズの下部についているのが特徴で、ネット上では「叫んでもズレない」「サングラスを逆にかけていない?」といった声も挙がった。製造したのは「SWANS(スワンズ)」ブランドを展開する山本光学(大阪府東大阪市)。金メダルを獲得した直後は、Webサイトにアクセス集中し、サーバーがダウンしたという。
なぜ、逆さのような独特な形をしているのか。理由を同社のスポーツ事業部 事業部長、鳥谷好孝さんに聞いた。
――東京五輪では、水谷さんのサングラス姿が話題になりました。貴社が提供したそうですが、きっかけは何だったのですか。
鳥谷: 2019年の2月に、競技中に「ボールがはっきりくっきり見えない」ということで、当社に依頼がありました。
当社はもともと、マラソンやゴルフといった屋外競技や水泳、ウインタースポーツのアスリート向けにサングラスを提供していました。ただ、屋内競技用のサングラスは製造したことがありませんでした。要望に応えられるか不安はありましたが、何かアプローチができないかと思い、レンズの開発に着手しました。
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