――金メダルを獲得した直後、Webサイトのサーバーがダウンするほど反響があったそうですね。
鳥谷: 水谷さんの活躍もあって問い合わせが多くあり、生産可能な20本を10月に限定発売しました。水谷さんが使用しているので卓球のイメージがありますが、当社としては基本的に屋内用と設定しています。今回問い合わせが多かったのは、インドアテニスやバドミントンをしているお客さまからでした。
特にこの時期は、外が寒いので屋内でテニスをする人も多いようです。ただ、屋内だとサーブをあげる時にライトがまぶしい。サングラスをかけたいが屋外用だと暗くなりすぎる。という要望が多くありました。
ただ、サングラスをかけることって、日常生活でも少し抵抗がありませんか? 外でかけるのもちょっと気になるのに、室内でとなると「お前何イキってんねん」ってなりますよね(笑)。
今回水谷さんがかけたことによって「屋内でもアイウェアをかける機会があるんだ」「PCを見る時にブルーライトカットメガネをかけることと変わらないんだ」と知っていただけたかと思います。
――今回、水谷さんとSWANSアンバサダー契約を締結したそうですが、今後の展望を教えてください。
鳥谷: スポーツを辞める理由として、目の病気や、視力の低下があると聞きます。当社では、試合中にメガネをかけられないサッカー選手などのために、度付きレンズ対応のアイガードを制作したり、競技中にボールが目にあたって網膜を悪くしたバレーボール選手に、特注のゴーグルを提供したりしています。
一般の人たちでも屋内用アイウェアが普通に使えるようになることで、スポーツ人口を広げることにつながると考えています。本来アイウェアを使用しないスポーツでも、「トップ選手がかけているから私たちも使おう」とか「あの選手みたくなるために私もかけよう」といった目標になれれば良いと思っています。
今回のモデルは水谷さんの見え方に合わせた製品でした。今後は水谷さんの経験や知見をいただきながら、屋内でもアイウェアを使うことがスタンダードになる製品を展開していきたいと考えています。
【記者メモ】
同社は水谷さんの他に、阪神の近本光司選手やプロゴルファーの石川遼選手など、アイウェアを通して100人以上の日本人アスリートを支援している。「サングラス=外でかけるもの」という発想を大きく変えたのが、水谷さんの活躍だった。金メダルを陰で支えた“サングラス”が新たな需要を創出し、今後は屋内競技でサングラス姿を見ることが当たり前になるかもしれない。
(終わり)
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