中国で知らない人はいない「ライブコマースの女王」ことインフルエンサーの薇婭(ウェイヤ―、36歳)氏が12月20日、約6億4300万元(約115億円)の所得隠しを摘発され、追徴課税や罰金などで計13億4100万元(約240億円)の支払いを命じられた。
1回のライブ配信で数億〜数十億円を売り上げるインフルエンサーはインバウンドや越境ECに取り組む日本企業の関心も高く、ウェイヤ―氏は今年4月にNHKの「クローズアップ現代+」にも出演した。
ウェイヤ―氏の脱税事件は、中国のインフルエンサーの荒稼ぎぶりと、格差拡大に徹底的にメスを入れる中国当局の姿勢を改めて浮き彫りにし、激震が走っている。
浙江省杭州市税務局の発表によると、ウェイヤ―氏は2019年から20年にかけて、税優遇措置のある地域に設立したペーパーカンパニーに売り上げを付け替えるなどして、6億4300億元を脱税した。
中国の芸能人の巨額脱税と罰金は度々ニュースになっている。18年には人気女優のファン・ビンビン氏が追徴課税や罰金などで合わせて8億8300万元(約158億円)の支払いを、21年には女優の鄭爽(ジェン・シュアン)氏が2億9900万元(約53億円)の支払いを命じられて「第二のファン・ビンビン」と騒がれた。
これら人気女優と比べても、ウェイヤ―氏の罰金がかなり高額であることが分かる。
インフルエンサーの薇婭(ウェイヤ―、36歳)氏。中国で知らない人はいない「ライブコマースの女王」で、NHKの「クローズアップ現代+」にも出演している
転換期迎えた中国の「自粛のダブルイレブン」、それでも販売額は過去最高
中国のECセール「ダブルイレブン(独身の日)」が終わった。例年と異なり、今年は華々しいイベントや流通額の実況中継はほぼなく、今年の販売額も過去最高だったと発表されたのみ。今年のダブルイレブンは、11日に習主席の演説が公開されるなど異例尽くしで、中国のプラットフォーマーが転機を迎えたことは間違いない。
「巣ごもり」「国産」「Z世代」、中国ネットセールに見る消費の新潮流
も耳にしたことがあるだろう。では「618セール」はどうか。そもそも知られていない「618セール」だが、「中国の消費の成熟を示す新しいトレンドが出てきて面白い」と聞いたため、自身の情報収集も兼ね、今年のトレンドを紹介する。
シャオミが社員122人に「3億円」特別ボーナス、ファーウェイ失速で絶好調
中国のIT企業は、桁外れのボーナスを奮発することがある。最近は、ファーウェイの失速で漁夫の利を得ているスマホメーカーのシャオミが、1人当たり3億円を超える特別ボーナスを支給し話題になっている。中国のメガIT企業が何かの節目に特別ボーナスを支給するのは、珍しいことではない。
楽天の国内年間流通額の2倍、「独身の日」を支えるアリババの最新技術
中国最大のECセール「独身の日」で、アリババのECサイトは今年4982億元(約7兆7200億円)の取引額を記録。楽天の国内年間取引額の2倍に相当する注文・決済・配送需要が2〜3週間に集中する同セールを乗り越えるために、さまざまな技術がアップデートされてきた。ここでは、2020年のセールを支えた最新技術を紹介する。
中国で“果実酒人気”が爆発、日本企業は「中国の女性」に訴求できるか?
中国で、果実酒など低アルコールドリンクの市場が急拡大している。新興ブランドが都市部の高収入女性のニーズを掘り起こし、伝統酒造メーカーも相次ぎ参入。アリババECサイトの6月のセールでは、果実酒の流通総額は前年比100%、梅酒は200%増えた。中国の女性に特化したマーケティングに力を入れる日本企業も出てきている。
株価低迷でも年収4500万円、好待遇維持するテンセントの狙い
テンセントが、従業員の4分の1に対して1人あたり116万円の株式報酬を付与すると発表した。またSNSへ流出した同社社員の収入明細によれば、税引き後の今年の年収は約4500万円だったという。今回はテンセントのほかアリババ、バイトダンス、シャオミファーウェイ、シャオミなどの報酬や福利厚生、労働の実態などを紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.