NHKクロ現にも出た「ライブコマースの女王」、脱税で240億円罰金の衝撃。ファン・ビンビン上回る荒稼ぎ:浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(2/4 ページ)
ウェイヤ―氏は中国のEC市場の成長を象徴する存在だ。
21歳のとき、今の夫でビジネスパートナーである董海鋒氏と出会い、北京で6平方メートルの小さなアパレルショップをオープンした。その後、歌手・女優を経て10年代から店舗経営に専念。
EC市場の拡大にいち早く気付いてネットショップに注力するようになり、アリババグループが16年3月にライブコマースサービス「淘宝直播(タオバオライブ)」を始めた当初から、トップライバーとして君臨してきた。タオバオライブのフォロワー数は1890万人を誇り、「口紅王子」として知られる李佳■(■は王へんに奇、オースティン)氏と人気を二分する。
今年のアリババの「独身の日セール」では、ライバーたちが関連イベントとして10月下旬に半日のライブコマースを開催し、オースティン氏が106億5300万元(約1900億円)、ウェイヤ―氏が82億5200万元(約1480億円)を売り上げた。3位の雪梨氏の売り上げは9億3000万元(約170億円)、4位は1億5900万元(約28億円)で、トップの2人の集金力は文字通りケタ違いだった。
今年4月にはNHKの人気番組「クローズアップ現代+」が特集「コロナ禍で“爆売れ” 急拡大ライブコマース」でウェイヤ―氏を「ザリガニからロケットまで、ありとあらゆるものを売り、毎月の売上額は250億円以上に上る」と紹介し、インタビューを行ったほどだ。
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