ライブコマースはこの数年成長を続けていたが、コロナ禍によって経営者や農家も参戦するようになり、成長が一段と加速している。中国の調査会社艾瑞諮詢(アイリサーチ)によると、20年中国のライブコマースの市場規模は前年比197%増の1兆2000億元(約21兆円)で、23年には4兆9000万元(約88兆円)に拡大すると見込みだ。
一方で、中国政府は21年に格差縮小に向けた「共同富裕」のスローガンを打ちだし、IT企業や芸能界への規制を強化。不正が認められた企業・個人には見せしめのような巨額な罰金を科すようになった。
11月23日には国家インターネット情報弁公室が「有名人のインターネット情報の規範強化に関する通知」を発表し、プラットフォームに対し有名人のアカウントの実態を徹底把握。フォロワーの数や影響力などによってアカウントをランク付けし、当局に定期的に報告するよう求めた。また、フォロワー数と影響力が一定水準を超えたアカウントはリアルタイムで観測・警告できるシステムの構築も義務付けている。
芸能人だけでなくSNSで影響力を持つインフルエンサーが当局の規制の対象になり、同月にはタオバオライブ人気3位の雪梨氏ら2人のインフルエンサーが脱税で約9000万元(約16億円)の罰金を命じられた。
ウェイヤー氏側も最近は会社の整理を進めるなど、「当局に目をつけられている」自覚はあったようだ。
ウェイヤ―氏は中国のある機関がまとめた21年の資産家ランキングで、総資産90億元(約1600億円)とされた。その夫の資産額は220億元(約3900億円)とさらに多かった。ウェイヤ―氏の資産額は著名調味料ブランド「老干媽」の創業者と同じで、ぽっと出のインフルエンサーと国民食として愛される食品メーカーの創業者が肩を並べたことに、世間の驚きは大きかった。
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