顔認証決済システムを開発した日本コンピュータビジョン(東京都千代田区)のアンドリュー シュワベッカー社長に話を聞いたところ、同社が開発したシステムでは「顔の特徴点」を捉えているという。
「当社の顔認証のアルゴリズムは、顔の特徴点つまり、目の距離や目と鼻の距離、鼻の高さによる陰影、骨格などのデータをもとに認証しています。肌の色、髪色、眼鏡や帽子の有無などは関係ありません。
実際に見た目が似ている双子に顔認証システムを試してもらったこともあります。私自身は全く見分けられませんでしたが、システムは隠れた特徴点を抽出して識別できていました。整形に関しては、目の位置が変わるなどの大幅な変化がない限り認証できると思いますが、現時点ではデータが十分ではないため、今後に期待しています」
特徴点を捉える仕組みのメリットは、セキュリティ面にも現れる。同社によれば、特徴点のみを記録するため、個人の顔写真をデータとして保存する必要がないという。自分の顔とクレジットカードや電話番号などの個人情報を紐(ひも)づけて保管されることに抵抗を覚える人もいるかもしれないが、その点も解消されるようだ。
高精度の顔認証決済システムの導入に伴い、人手不足の解消と来店客の利便性向上につながることが期待できそうだ。紫関社長は、そのほかにも「商品開発やマーケティングにも生かせる」としている。
年齢などの属性と購入商品を紐(ひも)づけることで、個人に対する商品のレコメンドやカスタマイズの提案の精度向上にもつながる。おすすめクーポンの提示などオンラインのような店舗体験の提供を目指すという。
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