CxO Insights

メタバースって何? 素朴な疑問をクラスターCEOに聞いたメタバース研究所も設立(4/4 ページ)

» 2021年12月29日 08時00分 公開
[樋口隆充ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

「メタバースは日本復権の鍵」

 多くの可能性を秘めたメタバース。現状はどのような課題があるのだろうか。加藤CEOは「人類の可能性を秘めた分野に、世界的に人材や投資が集まっているのはポジティブに捉えている」とする一方で「日本では『メタバースをしよう』という企業がまだまだ少ない。世界に後れを取っている」と警鐘を鳴らす。

 加藤CEOによると「日本はメタバース事業をするには最高の文化的土壌がある」という。日本は漫画、アニメ、ゲームの分野で世界をリードしてきたためだ。最近では日本のバーチャルYouTuber(VTuber)が世界を席巻している。

 特に「ゲーム製作のスキルとメタバース製作に求められるスキルは親和性が高い」といい「日本は任天堂やセガ、SIEを生み出した国。彼らが本気を出せば、メチャクチャ強いはず。メタバースは日本にかつての栄光を再現できる可能性を秘めた産業だし、日本発で世界を取れる領域だ」と加藤CEO。

photo 人気キャラクター「マリオ」を生み出した任天堂を筆頭に、日本には世界的なゲーム会社が集まる(出典:任天堂公式Webサイト)

 「ゲーム業界は現状、攻めあぐねているようだが、日本の経営者には今後、Vtuberとかではなく、メタバースに積極的に取り組んでほしい。今のままでは、世界的なトレンドに乗り遅れる可能性がある」(加藤CEO)

「誰もがメタバースの価値を享受できる年にしたい」

 本格的なメタバースプラットフォームを手掛けるのは、国内ではクラスターを筆頭に数社が手掛けるのみ。事業者が少なく、日本国内でメタバースを盛り上げるためには、同社の奮闘も欠かせない。

 加藤CEOは「3DやCGコンテンツを作るのは手間がかかり、難易度も高い。2022年はバーチャル空間にエントリーできるハードルを下げ、誰もがメタバースの価値を享受できるようにするとともに、海外向けのマーケティングにも注力し、グローバル化に力を入れる年にしたい」と意気込んだ。

photo クラスターのオフィス
前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.