最近、そんな半導体不足の影響は一般人のみならず、国際的な混乱にも発展しかねないと警戒されている。加えて、その重要性のために、サイバー攻撃の対象にもなっている。
まず、実は分かっているようで混乱している人も多い、半導体そのものについて少し簡単に説明したい。
半導体にはいくつかの種類がある。主要なものは、複雑な演算が可能で人体で言えば「頭脳」にあたる「マイコン」または「ロジック」半導体。さらに「記憶」にあたる「メモリ」半導体。「筋肉」の役割をする電圧や電流を制御する「パワー」半導体などである。こうした半導体を並べることで、電子機器などが使えるようになっている。
半導体は製造するのが非常に難しい。技術的な難しさもさることながら洗浄のために大量の水が必要だったり、質の高い人材の確保も不可欠だからだ。さらに莫大な投資も必要になる。
現在、半導体の製造の仕組みは世界ではおおまかに3つに分かれている。
1つ目は、IDM(Integrated Device Manufacturer)。垂直統合型と呼ばれる製造方法で、企業が半導体の設計から製造まですべてを実施することを指す。例えば、米インテルや韓国のサムスン電子などの大手メーカーが行うことができる。
2つ目は、ファウンドリというビジネスモデルだ。設計は別の企業に任せ、設計に沿って受託製造を行うことを示す。今、世界的にもっとも有名な半導体製造企業と言っていい台湾のTSMC(台湾積体電路製造)のほか、最近ファウンドリでも存在感が高まっているサムスン電子や、中国のSMIC(中芯国際集成電路製造)などが受託製造を行っている。
3つ目が、ファブレスだ。ファブレスとは、ファブ(工場)を持たないという意味で、設計のみを行っている企業のことを指す。高い技術が必要な設計の分野は、米国企業が優勢である。
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