香港で飲食店を運営する会社とライセンス契約を結んで、1号店をオープンすることに。世界中で新型コロナの感染が広がっているなかで、現場でどのような研修を行ったのだろうか。調理などを担当する華康(か・こう)さんに聞いたところ、「現場に一度も足を運ばなかった」という。いや、本来であれば、現地であれこれ指導しなければいけないわけだが、空港到着後の待機期間(21日間)のことを考えて、日本から指示することにした。
通常であれば、現地で1〜2週間ほどの研修をして、オープン後も1週間ほどフォローする。しかし、現場に足を踏み入れることができなかったので、オンラインで行うことに。このメニューはどういった食材を使っているのか、どういった調理をしなければいけないのか、さまざまな資料を送付した。また、日本国内で調理法などを撮影して、その動画を送ることに。現地スタッフはそれを見て、「こうかな」「いや、違うな。こうだな」といったことを確かめながら、手を動かしていった。
もちろん、それだけで十分とはいえない。調理しているところをオンラインで見て、気になったことはその場でどんどん指摘していった。手順はあっているのか、水は適量なのか、温度設定はあっているのか。何度も見て、何度も指摘して、何度も調理してもらって。こうしたことは画面を通じて確認することができるが、味はどうだろうか。
レシピを詳しく伝えても、肝心の味がイマイチではいけない。アンケートを用意し、各項目に答える形で、味をチェックしてもらった。味の確認も何度も繰り返すことで、ようやくお客に提供するところまでこぎつけた。先ほど「オープン前に1〜2週間ほど研修を行う」と紹介したが、1号店をオープンするにあたって3カ月ほど時間を要した。
チェック項目は料理だけではなく、スタッフの動きであったり、店内の様子であったり、限られた時間のなかでチェックしていき、オープン初日を迎えることに。現地メディアが事前に報じたこともあって、初日は行列ができた。次の日も、その次の日も行列ができていた。
日本の場合、ピークの時間帯は昼と夜だけ。1日に2つの山があるわけだが、香港では行列がなかなか途切れない。ピークの山がずーっと続いている状況である。「注目が集まるのは1カ月ほどかなと思っていましたが、6カ月以上たったいまも、行列ができていますね」(津田さん)
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