さて、このような話になると必ずと言っていいほど引き合いに出されるのが、ライバルのロフトである。現在はセブン&アイグループだが、「西武のロフト」だった時代から「東急のハンズ」と何かと比較されてきた。
「やっぱ文具や雑貨はロフトのほうがオシャレだよな」「いやいや、ハンズのほうが品ぞろえがスゴいし、店員のプロ意識がハンパないって」なんて感じで、それぞれの「愛」を語り合ったという人も少なくないだろう。実際、アンケート調査ツールの開発などを手掛けるスパコロが、全国10〜60代を対象に調査をしたところ、ロフトと比較して候補にあがる競合の1位(47.9%)は東急ハンズである。
このように世間的には、東急ハンズとロフトは「強敵と書いて“とも”と呼ぶ」的な好敵手というイメージが定着しているわけなのだが、残念ながらビジネス的には「ハンズの収益力は2〜3%の営業利益率を確保するロフトに見劣りする」(日本経済新聞)と勝負は決まってしまっている。
では、1990年代からともに切磋琢磨してきた両社が、なぜここにきてこのように「差」がついてしまったのか。
ネットやSNSなんかを見ていると、往年の東急ハンズファンは「近年のハンズは品ぞろえが良くない」「店員の質も昔に比べて落ちている」など辛辣(しんらつ)な意見が多い。要するに、「ハンズらしさ」が損なわれたことが低迷につながったというのだ。
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